前回までの振り返り。
主人公は8歳だよ!アカデミーには通っていないよ!
逢って6日目でうちはの天才って言われている人にプロポーズされて指輪も貰ったよ。
承諾するのに脅し使うようなイタチ兄さんだよ!
このことをお母さんは知らないよ!


お母さんパートから始めます。



愛娘の明は可愛い。私から生まれたなんて信じられないくらい天使だ。妖精だ。公園に行ったとき他のクソガキどもと違って一人輝いていたのよ?惹かれないやつなんていないと断言するわ。

さて、そんなうちの子につい最近、害虫がついてしまった。初めて害虫ことイタチ君がうちの子を見てから毎日ストーカー宜しく店に張り付いている。イタチ君は追っ払ってもしぶとくて、子の不祥事親の責任っていうしね、火影さまに依頼でもしましょうかと思ったのよ。これで明によりつく変態が一人減るわ!ってスキップしながら依頼受付所に向かったんだけどね?

どこから聞きつけたのか、道中にうちは一族がいたのよ。そりゃあ昔は私も色々やらかしてお世話になったし、お世話したこともあって今じゃあ仲良く談笑もできる仲よ?でもそれとこれは別。邪魔よ、どいてちょうだい。
一番前にうちはフガクさんが出てきてね、前に出るなり私に向かって一族全員一斉に土下座してきて曰く「御宅の娘さんをうちの跡取りの嫁に下さい」ですって。


この六日、私と警務部隊とイタチ君による明には悟らせなかった地獄の鬼ごっこによって彼らも随分窶れたみたい。警務部隊の牢につながれてもどうやったのか、鎖を断ち切って(チャクラを封じられていたのにも関わらず)明の所に来るんだもの。
三日目までは私同様にイタチ君を止めていたうちは一族も、四日目からは「もうこうなったら嫁に貰っといた方が被害は少ない」とかいいだしたのよ?
うちの子をなんだと思っているのよ!!

やっぱり気に食わない。火影さまに依頼したら一族ごと排除してくれないかしら。
火影さまのところに行かれるとうちはの不祥事がばれるとかそんなこと私たちは知らないわよ!忍びを取り締まるのがうちはの警務部隊でしょ!仕事をしなさいよ!!

このまま通せんぼしてくるなら日を改めたほうがいいと思って家に引き返したら娘に抱き付いている問題の男がいてやっぱり幾ら掛かってもいいから暗殺依頼をしようと思います。その前にすっかり体の一部と化した御盆でイタチ君の頭を叩いて明ちゃんを抱きしめました。




お迎え班パート



誇り高きエリート集団、うちは一族。
うちはとして数少ない写輪眼開眼者としての自尊心も宗家の嫡子によって粉々に壊れたのが数年前。だが俺も彼を認めている。認めてはいても気に食わない。

うちはイタチ。うちはの天才とまで言われた男は俺よりも一回りも年下にもかかわらず、既に俺よりも強い。嫉妬した、何が違うんだと。隊長であり、彼の父親で一族の長でもあるフガクさんも強いがイタチの方が勝っているだろう。完璧無敵、冷静沈着、いや、冷徹な男とも思っていた。イタチは俺たちを馬鹿にはしていないことは解っていても、醜い感情が彼に対する評価を歪めていたことは自覚している。それでも、この仕打ちはないと俺は思う。


「明明明結婚する婚約する嫁にする許嫁にする妻にする・・・・嗚呼会いたい////」


これは誰だといいたい。
いや、イタチが弟想いの男だとは知っていた。顔もいいし、女にモテない要素などもとより持ち合わせておりませんというような独身男性の敵のような男だ。だから告白されても断っているのはまだ若いからで、それなりの歳になったら彼女の一人や二人は簡単に作りそうだと思っていた。

それがどうだ?彼女云々吹っ飛ばして一般人に会ったその日にプロポーズしたらしい。
それも公の場で。相手は弟のサスケと同い年らしい。お前そんな趣味だったのかと愕然とした一族の顔を一生忘れない。
ちょうど里へのクーデターを企んでいたが、そんなこと有ったなまだ1週間も経っていないのに過去の事のように思える。それくらい衝撃だった。現在進行形で。


イタチの動きが怪しいとシスイに見張らせて暫く、後に恋する男のバイブルとしてヒットする「うちはイタチの大恋愛記」の第一章にあたる時期、彼女明さん(呼び捨てにするとイタチが写輪眼全開でキレる)と対面したのだ。シスイから警務部隊に応援要請がかかったので駆けつけてみれば、あのイタチが幼女に迫っている。信じられん。

確かに整った顔立ちをしていて将来が大いに期待できるが、あのイタチが・・・。
目の前の行動に呆然と立ち尽くしていたがうちのブラックリストに載っている甘栗甘の姐さんが「早く如何にかしろよ!」って目でにらんできたから我に返ってイタチを抑え込み、連れて行ったのが始まり。以来ずっと暇さえあれば彼女の名前を連呼するし、庭の花をむしり取って花占いとかしだした。


可哀想にサスケが怯えているぞ。心配する弟に「結婚するんだ」と真顔でいうお前・・・。
一寸驚いたのか、相手のことを聞いたサスケは決して悪くない。尊敬する兄が豹変するような相手を気にならないはずがない。恐らく盗撮(よくあの姐さんの目を盗んで撮ってこれたな)したであろう彼女の写真を愛おしそうに眺めるイタチ。

そしてサスケにとって見るからに同い年くらいの彼女がイタチ曰く嫁ということに驚きよりも少年特有の興味が勝ったのだろう。可愛らしく頬を染め、「綺麗な子だ」といったサスケは本当に悪くない。だからイタチ、お兄ちゃんなんだから弟まで写輪眼全開で威嚇するな。「俺の嫁だから渡さない」とか、それ以前にまだ相手に承諾されていないだろうが。


どうやっているのか、天才か、天才だからなのか?チャクラを封じたはずなのに脱走して彼女の下に馳せるイタチとそれを殺さんとする姐さん、とその姐さんを止めイタチを回収する俺たち。四日目でもう班員は何度も入れ替わった。理由?暴れたイタチによって負った怪我と胃痛だ。悲しいことに俺の胃は思ったより頑丈だったらしく初期から入れ替わっていない。仮病でもいいから代わったらダメかな。

「隊長、もう、限界です」


嗚呼今日も一人また倒れた。被害は既にうちは一族の半数。
女性陣は前からあの店の常連が多く、看板娘の彼女を甚く気に入っていたのでイタチの母ミコトさんを初め全員が賛成だ。元々彼女たちはクーデターに乗り気ではなかったし、嫡子が里に落ち着くと誓ったも同然だ、野心故に名家の嫁ではなく一般人から貰うのは返って里からの信頼面で良かったのかもしれない。

だが謂おう、相手はまだ8歳だぞ?



よん!
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