『外道は嫌だ』 ――弱肉強食で見捨てられるとか勘弁してほしい。元はお前が原因だろう。 『悪童なんて失せろ』 ――見た目は好青年、中身はゲスなんて誰が喜ぶ?猫かぶりに騙された人間には羨まれ、弄ばれた人間には恨まれる。違う、私は奴と同類じゃない。 “まこと”という名は体を表さすを真っ向から否定してくれる生きた証拠たる男達は、私の前世と前々世の兄だった。二次元のキャラの妹に転生した元現代人はリアルコナン君状態で今まで何度も苦労して来た。 なまじ外見が兄妹だけあってよく似ていたし、私自身もお世辞にもいいとは言えない性格だったせいで奴らの関係者(主人公組)には警戒されていたのをよく覚えている。 二人目の“まこと”お兄ちゃんの妹という立場をおさらばする、つまり私が天寿を全うして次の世界に転生する瞬間、死にかけの婆が吐血しながら心の底から叫んだのは、 「“まこと”じゃないゲスなんていらない!“キレイ”なお兄ちゃんが欲しい!!」 だった。 1991年、冬。 とある屋敷にて。 「時臣師、来月、私の妹が日本に到着するそうです。」 「そうか。ん?嬉しそうだな“綺礼”」 神はいなかった――と、父親に促され自分を抱き上げた“兄”の名を知った明が絶望し、喃語で叫んだのはこの凡そ8年前である。 *** 説明 「まことさんと」シリーズの妹主人公が京極さん家に転生する前(つまり花宮さん家の子ども時代の後)に今わの際の願いを聞き取った神(愉快犯)が転生させたのが、Fate/第四次開始の8年前の言峰さん家。 この後「まことさんと」通りに京極さんの妹に生まれていたら、最初で最後の良心とばかりに京極さんに執着する。大事な兄の大切な恋人たる園子嬢に関しても「ありとあらゆる手段で守る」と兄とその恋人のセコム化。そうすると正規の「まことさんと」とは異なり、園子嬢を事件に巻き込んだり麻酔銃をぶち込む某名探偵を「ゲス」属性と新たに付属された「愉悦」属性で絶望に追い込む。 転生 志々雄→花宮→言峰→京極の順 お兄ちゃんは「まこと」→「まこと」→「きれい」→「まこと」 本作では順に、外道→悪童→愉悦→良心で表記されることが多い。良心に関しては天使とされることもある。 妹主人公(Fateでは) ゲスなお兄ちゃんに振り回されて精神的に擦れ捲った幼女。二人目の兄の御蔭?で観察眼が鋭いため初見で「きれい」お兄ちゃんが名は体を表すの法則から外れていると見抜く。本人無自覚だが「ゲス」属性(一般的な小悪党のそれではなく、外道や悪童の持つ計算された、あるいは開き直った性質)を持つ。 ギルガメッシュが言う「愉悦」の意味を瞬時に悟り、零時代の主人公…?な衛宮さんに助けを求めたいと思うがこっちは前世・前々世の兄とは違った意味の「ゲス」だったため断念。 神父(父)が殺される前に強奪したギルガメッシュの宝具(刀)で死守。(←志々雄に鍛えられた剣豪+宝具の力) 聖杯が泥吐き出す前に父親連れて国外逃亡。愉悦、父・妹を殺し損ねる。 ↓ 第五次が始まる頃は学生。士郎さんの先輩。父は国外逃亡中に病死。その遺言で日本に戻ったけど、早速嬉々として殺しに来た愉悦兄を返り討ちにする。見覚えある青セイバーさんに警戒されるのにも慣れた。 結論、兄なんかいらん |