正直な話しさ…あの子がイタチの手を取らなかったことに驚いたんだよね。


「明〜!明ちゃ〜ん?…って、あらら」

いつも俺が早く寝なさいって云ってるのに夜更かしする子どもの穏やかな寝息。俺が来る前までうとうとしていたんだろう、顔を覗き込むと目を擦っていた手が不自然な形でだらんと手首から下の方が垂れ下がっていた。
 部屋に運ぼうと優しく抱き上げると、明は無意識にその首に腕を回す。マスクの下でにやけそうになりながらもしっかりと明を抱きかかえた。

「ほんと、どーしましょ、この子」


可愛くて、堪らない。
近所の公園で偶々見かけた明と同年代の子どもよりも一等可愛い。

そのことを詰め所で後輩に語れば「先輩を捕まえたくも通報したくもありません」と必死に訴えられた。酷ーいよね。
この子だけだよ。でもさ、問題もあるんだよね。それこそテンゾウが心配した方の問題として。

女を抱くときも、何故か明の顔が過って全然役に立たないから最近じゃご無沙汰だし。風呂上がりの明見てドキリとしたり、寝起きのぼやーとした顔にキスするときについ唇にもしたくなったりとか……あれ?これって、

(俺いつから幼女趣味になったっけ?)

チラリと腕の中の明を見る。
ゴクリと咽が鳴った。
イヤイヤイヤイヤイヤ……え、うそ?マジ?

確かに甘えるように俺にべったりのこの子の御蔭で胸がキュンキュン鳴るのは日常茶飯事だけど!任務で二三日家を空けることになると必ず明のことで頭いっぱいになるけど。それはあくまで庇護欲であって、恋情ではないはずだ。


(落ち着け、俺。明はまだ7歳。あれ?最近の7歳ってどういうもんだっけ?俺は中忍になってたし、そういえばイタチもアカデミー卒業したのってそれくらだったはず。あ、じゃあ明も大人の階段上らせても問題ない……って!違う!!忍者になる=大人じゃないから。いつから手を出していいとか今考える事じゃないから!ああ、もう!結局俺は明のことが好きなの?家族として?それとも異性として?)


グルグル目を回しながら頭を抱えて考えること三日。
その問題に、漸く答えが見つかった。


「ということで俺は明のことが将来結婚して家族になりたい女の子として大好きです、お兄さん」

「……カカシさん死んでください」


般若顔のイタチに追いかけられても明のことばかり考えて、そういえば今朝くしゃみしていたな〜そろそろ寒くなってきたから温かい恰好させないとな〜と思いつつ、逃亡しながら俺は明用のマフラーを編み出した。


***

カカシ、ロリコンを認める。
イタチ、カカシ嫌いになる。




「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -