私が店で知らないお兄さんにプロポーズされて三日。お兄さんはあれから来ません。
別に逢いたいというわけではありませんがお兄さんにこの前のお代を貰っていないので来てもらわないと困ります。

かといって本気か冗談か、屹度冗談でしょうね、お兄さんが来ました。店の暖簾を潜った瞬間キョロキョロしていたかと思うと私と目が合います。「明!!」と私の名前を大声で叫んでくれました、恥ずかしいです。

瞬きをしたらもうお兄さんは私の前で、嗚呼やっぱりこの人は凄い忍者さんなんだと思います。でもまた私の手を握ってきました。離してほしいです。


「明は俺が嫌いなのか?」


とても悲しそうな目をしています。好きも嫌いも何も、貴方と会ったのはこれが二回目です。まだ近所のマサオ君に対しての方がはっきりと答えられます。だって貴方の事しりませんし、と謂えたらいいのですが前回の初対面のときに長々と彼自身のことを話していたので無駄に記憶力の良い私の頭は正常に起動していたため、一方的というか受動的にばっちり把握しています。


「お団子注文してくれるなら好きですよ」と返しておきます。せこい?あざとい?何言ってるんですか、これも商売です。まだ子供ですが私も商売人の娘です(ドヤァ)


「すみません団子50本と明をテイクアウトでお願いします」

・・・お兄さんは普通の人ではありませんでした。うちとしては嬉しいですが普通そんなに食べれませんよ。


「はいはい。でもイタチ君悪いけどうちの明ちゃんは商品じゃないの、ここでしか観賞出来ないし、触るのも禁止」


お母さん!!一人感動していましたが、隣のお兄さんがシュンとしてます。無いはずの犬の耳が垂れているみたいで可愛いです。思わず頭を撫でてみました。



バン!!
お兄さんは床に沈みました。何があったか、頭を撫でたらお兄さんが私に覆いかぶさってきてお母さんの御盆がお兄さんを倒したんです。出そうになった悲鳴も飲み込みました。流石に私もお兄さんに同情します。

でもお兄さん、どこから出したのか知りませんが血文字でダイイングメッセージ宜しく「結婚しよう明BYイタチ」って書かないでください。お母さんがいってました、血は中々落ちにくいと。そのときのお母さんは何故か服が血まみれで、大けがをしていると私が勘違いして大慌てだったのもいい思い出ですね。そういえばお父さんが怯えてましたが屹度私と同じ気持ちだったんでしょう。


お兄さんは今日も背中に可愛い団扇が書いてあるオジサンたちに何かを飲ませれて、大人しく連れていかれました。
昨日見たアニメの主人公の名探偵乱歩くんみたいに今度来る時は小さくなっているのでしょうか?不謹慎ですが一寸ワクワクしています。



***
補足:
ナルト世界で放映されている国民的アニメ『名探偵乱歩』。主人公は金田一乱歩くん。
注意)某高校生探偵です。稀にジブリネタも使います。



お母さん:
元ヤン?昔は金属バット担いで警務部隊にお世話になりました。自分から生まれたのに小動物みたいでマイナスイオン発生している娘が可愛くてしょうがない。うちの子が欲しいならコイツを倒してみろとか言って里に上忍雇ったり本気でします。ツリ目だけど美人さん。笑うと可愛いです。

お父さん:
一見押しに弱そうな好青年風な男。木の葉の創設期から続く伝統ある老舗甘栗甘の一人息子で、お母さんを嫁にもらいました。お爺ちゃんたちも気弱なお父さんを心配していたのでお母さんみたいな人が奥さんで安心して後を譲りました。娘を忍びにするつもりはないのでアカデミーには通わせません。嫁と娘命。二人に何かあると人が変わる。


警務部隊特殊班:
うちはイタチがある日突然今までの優秀差の反動か奇行に走り出したため、世子の暴走を抑えようと作られた班。通称「お迎え班」。主人公のお母さんが怖い。お父さんも怖い。
幼女に土下座でもなんでもしてやる、だからお願いします。うちの跡取りを訴えないでくださいとお母さんに懇願中。


うちはフガク:
息子の奇行に頭を悩ませている。木の葉へのクーデターとか考えていたけど自分たちが下手をしたら一般人に迷惑をかけたと、長男を捕まえないといけないことが頭痛の種。
主人公にあったら土下座します。

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