不本意ながらも多重転生とか人に話せば「頭大丈夫?」って心配される不思議現象を経験している私だけど、毎回苗字は変わるのに兄弟の名前は同じって、どーいうことでしょ? ランドセル背負った精神年齢X歳も慣れれば黒歴史にはならないよね。 帝丹小学校とか、一年生の少年探偵団って凄いよね〜って話しかけてくる友人のゆきこちゃんに「そーだね」と返して私には関係ないと思いたかった。 コナンかよ! とか叫ぶのも心の中にしておいた。 某名探偵とかイコール死神だろ?事件ホイホイだろ? 兎に角今の私は小学四年生。滅多なことがなければ私とこの世界の主要人物は関わらないはずだった。 「明、俺はやるぞ。絶対今度こそあの怪盗キッドを捕まえてみせる!」 そう張り切るのが今生のお兄ちゃんの「まことさん」こと京極真。今までの人生で一番まともな性格をしてるけど、ライフル避けられるから。 今までの経験上お兄ちゃんは何らかの形で主人公組と接点を持つとは思っていた(しかも高確率でその主人公組に嫌われている)けど園子ちゃんと彼氏とは思わなかったよお兄ちゃん。 まあね、弱肉強食とか他人の不幸は蜜の味とか謂わないだけマシだろ。うん。 寧ろ正面から堂々と迎え撃つタイプだし、前のお兄ちゃんたちが一番嫌いそうな性格してるもん。 園子ちゃんが「キッド様(ハート)」と毎回乙女になるのに嫉妬したお兄ちゃんは以前その怪盗キッドを捕まえようと挑戦したが失敗した。だから今度こそ!って燃えてるんだろう。 うんうん頑張ってーと他人事だと流してたのが悪かった。気づいたら私はいた。 「なんで?」 怪盗キッドの現場に。 そして当たり前のようにいるよ、名探偵。 ジッと見つめていたら目が合った。やば。 「あれ?園子姉ちゃん、あの子は?」 「ん〜…?ああ、あれは真さんの妹の明ちゃん。がきんちょと違ってすっごく礼儀正しくて大人しいいい子なのよ」 「へー(悪かったな大人しくないがきんちょで)」 「すみません園子さん。今度こそ確実にキッドを捕まえるために明も連れて来たんです」 「え!?もしかして明ちゃんも京極さんみたいに武術やってるんですか?!」 驚いた声をあげるヒロインとまじかよと引き気味のコナン君。本人が否定する前に面識のある園子ちゃんが自信満々にいった。 「明ちゃんは非戦闘員よ!体育の成績はいいらしいから運動神経はいいと思うけどそれ以上に頭がいいの!なんとIQ200以上あるのよ!」 「嘘!IQ200!?」 正確にはもっとあるらしい。メンドクサイから(あ、忍者のシカマルの口癖だ)そう言っといたけど。「以上」ってついてるから事実を知っているお兄ちゃんも訂正しないしね。 というか私戦えます。でも非戦闘員で結構大歓迎です。二度と戦いたくない。 あの志々雄真実の妹だった頃、当然のように兄を恨む敵に人質にされ、それを見た兄に「弱い奴はいらね」って見捨てられたからね?自力で脱出した後何故か背後にいた兄が「この世は強者だけが生き残る世界だ」とか言われて強制的に刀の使い方教えられたし。 で、IQに関しては一応花宮真とくだらないことで喧嘩するたびに頭脳戦で引き分けたからそれなりに高いのよ。IQは知らないけどキセキ+無冠のいる学校で合宿したとき臨時マネージャー(とかいてパシリ)に呼び出されてあの赤司様と将棋でいい勝負できたから誇れるはず!あ、勿論負けたけどね。途中で俺司から僕司に変わりそうだったので手を抜きました。 やるからには徹底的に! お兄ちゃんの戦闘能力?の高さを熟知しているからそれを生かす作戦をたて、怪盗キッドじゃなきゃ死ぬんじゃね?ってレベルのトラップも仕掛ける。キッドって確かIQ400以上だったはずだし、大丈夫大丈夫…多分。 せっせと罠を仕掛けていると背後にいるコナンくんから「うわぁ、ゲスイ」のコメント頂きました。 はて?何をいってるんだろうか。 ゲスいのは私じゃなくて前世のまことお兄ちゃんたちなのにね。 怪盗キッドの予告時刻まで、あと……。 怪盗へ 逃げろ 名探偵より |