注意)色々と壊れたイタチさんOK
主人公=幼女に土下座しようとするうちは一族OK
取りあえず上記二つが許せるかたのみ閲覧OK、ではどうぞ。






始めまして私は明といいます。木の葉隠れの甘栗甘を営む熟年夫婦の待望の第一子として生まれたのが8年前。つまり私は現在8歳になります。

ここ、木の葉隠れの里は忍者の里ですが、だからといって一般人がいない訳ではありませんし、将来の夢が忍者だからといって必ずしも全員が忍者になれるわけでもないそうです。勿論私の将来の夢は忍びになることではなく、お母さんとお父さんの後を継ぐことです。

うちは代々この里でも創設期からある、有名な甘味処でお客さんは忍びの方が多いです。大人から子どもまでうちによく来ます。私は小さいながらに賢いと、よくお客さんに褒められます。頭を撫でてもらうのも好きです。


その日もお茶運びは危ないからとさせてもらえませんでしたが、出来上がったお団子を運ぶことは出来ます。お父さんに頼まれて、お母さん曰く「最近忙しくて来る時間が極端だった常連さん」に渡しに行きました。頼まれたのは「みたらし団子」です。しっとりとモチモチしたお団子を香ばしく焼き上げ、秘伝のタレをたっぷりつけます。おこげと鼻孔を擽る美味しそうな匂いです。

折角出来立てなので冷めないうちに食べてもらおうと若干駆け足でお客さんの下に持っていきました。
真っ黒なお兄さんです。真っ黒な服ですが背中に赤と白の団扇が書いてあり、中々可愛い服です。


お出しするときは愛想よく笑う様にしています。お母さんが「営業スマイルよ」って言ってました。でもお母さんは店の中で喧嘩したお客さんに対してもとても綺麗な笑顔で顔面を御盆で叩いていました。お父さんが「見ちゃダメ」と謂っていましたが御免なさい。バッチリ見てしまいました。里で一番強いのは火影さまだと皆さんいっていますが、以前うちに来てくれた時、温かくて優しいおじいさんだと感じたので、とても強そうに見えません。私はお母さんが最強だと思います。それとおじいちゃんなのに現役バリバリで頑張っている火影さまには今度来たときにお団子一本サービスしたいです。


うちのお客さんは色々です。顔がごつい人、クマさんみたいな大きい人、グラサンをかけた人、とっても綺麗なお姉さん、秋のススキみたいな殆ど顔が見えない人、猫さんみたいな人、本当はもっと沢山いますが、これだけ多くの人がうちのお団子を美味しいと言ってくれて、私も鼻が高いです!
ススキみたいな人と顔がごつい人はよくうちで喧嘩します。ススキさんと私が呼んでいる彼はそんなに強そうに見えないんですが、青緑さん(「木の葉の青い猛獣」だと自分からいっていたので)にも負けません。でも最後はお母さんに倒されるので、うちのお母さんはとっても強いです。


嗚呼、話が逸れましたね。何が言いたいのかというと、屹度このお兄さんも見かけによらず強い忍者さんかもしれないということです。だって私が近づいたら後ろを向いていたのに、背中に目があるんじゃないかと思うくらいすぐに反応したからです。
でもこっちを向いたまま、何故か目が赤いです。じーっと見つめていると赤いだけじゃなくオタマジャクシみたいなのがグルグル回りだしました。何だか怖いです。でもこれもお仕事だと、お母さんに「可愛い」といってもらった営業スマイルのままお兄さんにお団子を出します。ちゃんと「どうぞ」も謂えましたよ!


天国のおばあちゃん、明はやりきりました。みっしょん、くりあです!


「待て…」


ガシリッ!さあとっとと戻ろう。そう思っていたのに足は動くのに前に進みません。お兄さんが私の腕を掴んでいるからです。痛いです、離してくださいと訴えますが聞いてくれません。



「・・・・お前の名前は?俺はうちはイタチだ誕生日は6月9日の双子座でAB型、歳は11、忍者登録番号は012110で中忍兼暗部に所属している。アカデミーは七つのときに飛び級で卒業した。身長は今は158センチほどだがまだ伸びるだろう俺の予想だと170後半は確実だ。好きな食べ物は昆布のおむすびとキャベツ嫌いな食べ物はステーキで好きな言葉は平和、趣味は甘味処巡り、特にここ甘栗甘が格別だと思う。家族構成は父、母、5つ離れた弟の四人家族、長男というのが玉に瑕だろうがうちの母は嫁いびりなどするような人じゃないし、万が一そんなことになっても俺が全てどうにかしよう。父が頑固者というか厳格な人だが屹度嫁には優しくなるだろうし、弟も素直でないだけで案外可愛いやつだ。稼ぎもあるし、将来有望だと自他ともに認めている」



・・・どうしましょう。このお兄さんイキナリプロフィールに書いてあるようなことをつらつらと語りだしました。だからなんですか、と返したいです。そもそも忍びとは秘密主義だと聞いたことがあります。青緑さんみたいに例外もいるそうですがこのお兄さんは絶対ススキさんみたいなタイプだと思ったのに・・・。
取りあえず名前を聞かれたのでそれだけ答えればいいでしょうか。


「名は?」


ズイっと迫ってきました。顔も近いです。
名乗らないと失礼だから・・・「明」とだけ答えました。
お兄さんの手が私の手を握ってます。あ、大きいですね。



「結婚してください」



皆さんどうしましょう。初めて会った人にプロポーズされました。
ガチャンと、思いのほかこのお兄さんと一緒にいた時間が長かったのか、他の品を焼き上げ持ってきたお父さんがお皿を落としました。見渡すと他の常連さんも固まってます。


「有難うございます大変光栄ですが、お断りします」


何よりも私はまだ8歳です。このお兄さんが何を思ってこんなちんちくりんにプロポーズしたのかは知りませんが常識的に可笑しいです。失礼の無い様丁重にお断りさせていただきます。


「その断るを俺は断る」


意味が分からない。誰か助けてください泣きたくはありませんが泣きそうです。だってお兄さんは私の手を離してくれません。



その後も永遠とお兄さん曰く将来予想図を事細かく語り、お兄さんの身内の方が迎えに来るまで私の手は離してもらえませんでした。お兄さん同様真っ黒くろすけなオジサンたちが暴れるお兄さんを4人がかりで押さえつけて連れて行きました。その際お兄さんは姿が見えなくなっても私の名前を叫んでいます。恥ずかしいかったです。

お兄さんの家に電話したのはお母さんでした。やっぱりうちのお母さんは最強です。カッコイイです。大好きです。そうお母さんに言ったらぎゅってされました。羨ましそうなお父さん、御免なさい。でも譲れません。


あ、お兄さんにお代貰うの忘れてました。


いち!
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