我、トトロなり!!

ズゥウウン!と短い腕を組んでも毛が白いから解らないのが悲しい。綿毛じゃありませんよ、明という元人間で冒頭の宣言通り現在トトロ(白)に生まれ変わったのです。

今私は我が友ジョージの息子のジョジョを守る為日夜奮闘しております。え?お前に何ができるかって?それはもう色々できますよ。癒したり癒したり・・・あと癒したり?

ええ嘘です。寧ろ私の方がジョナサンに癒されてます。何あの天使?エリナちゃんという聖女と付き合いだしたころ私は楽園を見た!

あのディオがやってきてからジョースター家は大変だったのよ。フェースとコンタクトからジョナサンに辺りはきついし、なにぶん優秀な子だからジョージ君がジョジョと比べちゃって厳しくなった。まあこれに関しては遊んでばかりだったジョジョが悪い。書庫に入ってもいいですか?なんてディオが聞いていたのに吃驚してしまう位、ジョジョは本が嫌いだ。

まあ始めのうちは私も傍観したよ?だってジョジョは可愛いけど最近悪いことに憧れる年代に突入してしまって近所の子と遊んでばかりだったし。これを機にしっかりお勉強しなさいと思った矢先だ、ジョジョに彼女が出来た。

エリナちゃんは可愛い。そして私が見えるらしい。一瞬彼女の家に住もうかと思案したがジョジョとエリナちゃんが結婚したら叶う夢だ。大人しくジョースター家にいよう。

ダニー君と二匹でキャッキャッウフフは二人を温かく見守っている。ジョジョが木に相合傘的なものを彫り、エリナちゃんと戯れているよ。現世の私なら「このリア充が!!」って思ったなぁとかすっかり思考が近所のおばちゃんになった私は見た!家政婦じゃないけど見てしまった!


木の影に隠れてこちらを窺うディオ・ブランド―を・・・


ま、まさか・・・・

『三角関係?』

「ワン(そんなわけないよ!)」


やばいぞこれは。ダニー君、作戦会議だ。もしディオがエリナちゃんを好きだったらジョジョは今の所彼に敗戦中だ。強硬手段に出られると勝ち目はない!

心配する私に呆れたような視線を投げかけるダニー。あのディオのことだからまたジョジョに対する嫌がらせだと判断したらしい。

一理ある。だがしかし

『だってほら、見なさい。あの血走った怒りに燃えた目を。親指の爪まで噛んで隠れてる木の幹をミシミシさせてるよ。絶対羨ましいんだ、だってディオの近くにはいないタイプの美少女だもん』

「ワオン?(じゃあどうするの?)」

『とりあえずディオを見張る。幸い私は姿を消せるからジョジョにもバレナイさ。君はジョジョについていてくれ、ディオは任せろ』

「ワン(頑張ってね!)」

ジョジョに駆け寄るダニーの姿。これが私と彼の最後である。



別れた後、待ち構えていたディオと手下1.2はニヤニヤと嗤う。
案の定私が危惧した通りディオはエリナちゃんを襲った。だが私の方が速かった。
持っていたそれを光の速さでぶん投げた。

ンゴホッ!!

「「ディオ――ッ?!!一体何が!!」」

倒れるディオに駆け寄る取り巻き1、2は余所に素早くエリナちゃんの肩に乗って逃げるよう促す。はっと気づいた彼女は私を大事そうに手で包み込むと、恐らく彼女の持つ最高速度でその場を後にした。


そう、私はエリナちゃんの口唇が奪われる寸前、ディオの口内に向かってドングリを連射した。まず動きを止める為ずっと大事にとっておいた松ぼっくりも投げた・・・泣く泣くこの日の夕飯を犠牲にしたのだ。屹度ドングリが咽に詰まったんだろう、凄いむせてる。背後からイエメンボイスの怒声が聞こえるのが軽く恐怖だが私に後悔はない。

そのままエリナちゃん家でお世話になっていたが両親の仕事の都合で引っ越すことになったため仕方なくジョジョの家に戻ってきた時、ダニーが殺された後であった。それに関してはものすごく後悔した。だから私は誓う。


ダニー君・・・君の分まで私はジョジョを守るよ。


白いナイト
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