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私が唯一選べたこの未来を

じゅげむ様リクエスト

箱庭四重奏(サスケ成代わり主が過去トリップするお話)で未来・マダラ夢


***




うちは名前は苛立ちを隠しもせず、ドスドスと音を立てながら長い廊下を進み勢いよく目的の人物のいる部屋の襖を開けた。


「マダラ!!」

「なんだ…さっきから五月蠅いぞ」


部屋には名前に酷似した、だが名前よりも男らしいが際立つ男がいた。
そのマダラと呼ばれた男は幼子を咎めるような口調で名前の行動を諌めるが、当の名前は鼻を一つ鳴らし懐から一枚の紙を押し付け今の気持ちを表すように両腕を胸の前で組んで威圧してくる。


その行動に内心首を傾げつつ(しかしマダラにして許されるのは彼の弟と名前くらいだが)押し付けられた紙に視線を向ける。


「先日までの戦の被害報告だな・・・・これがどうした?もう確認したはずだぞ」

上の欄には確かに確認の判が押してある。
はて?とマダラが不思議に首をかしげたが


「『どうした?』だと・・・?!!よく見ろ!その尋常じゃない怪我人はテメーらの災害が原因だろうが!!」


指摘されて改めて見ると成程、確かに自分と柱間の交戦に巻き込まれた人間が大部分を占めている。記憶を掘り返せば、俺の怪我の心配より先に胸倉を掴んで「もっと考えて戦え!この忍んでいない忍びがああああああっ!!」と揺さぶられ、イズナが止めるまで万華鏡写輪眼全開で睨まれた気がする。

仮にも俺は長でお前の上司、そして何よりも恋人だ。
にも関わらず名前の優先順位は何時だって一族、一族・・・嗚呼、正直面白くない。


「なんだその顔は!いい加減反省して行動を改めろ!」

先ほどまでプンプンと頬を膨らませ怒る名前が可愛いと思っていたが何だか憎たらしく思えてきた。現に名前の怒声を聞きつけて駆け寄ってきた部下が身体を押さえているが、名前なら糸くずを振り払うようにそんな奴らを引き離せるはずなのに!!

……お前、俺がそんな事すれば本気で抵抗するし終いには須佐能乎まで出してきたじゃないか。じと目で名前たちを見てしまう。恋人が他の男(と女)に大人しく抑えられているのを見るのは気分のいいものじゃない。


「頭領もいい加減名前さまに謝ってください!」

「そうです!名前さまが可哀想です!」


この兄妹は名前直属だけあって長の俺よりも名前ばかり優先する。まあ、それはいい。それよりも気に食わないのは

「何故俺が謝る必要がある」


確かに柱間とやり過ぎたとは思う。だが部下も巻き込んだ人間には後で謝罪した。

折角戦もなく落ち着いた今日こそ名前とゆっくり過ごそうと思っていたのに・・・俺に置いて仕事部屋に籠った名前がそもそも悪いのだ。

拗ねたマダラも同じく他の仕事を始めただけ。まあそれも名前が来るまで集中出来ずイライラしていたため殆ど進んでいないが…。やっと来たかと思えば唯の報告と批難だ。期待したマダラの落ち込みは大きい。


名前の怒りとは別の理由、つまり嫉妬で苛立ち始めたマダラもついつい口調が荒くなる。
それにビクリと怯えたのは名前の部下の兄妹だが、謂われた本人は気にいた様子もない。
ただ何コイツ逆ギレしてるんだよ、とマダラのそれが嫉妬だと気づかず不愉快そうに眉間の皺を深めた。


不穏な空気に慌てたのはタツヤ、アヤメの兄妹の方だ。
喧嘩した二人に巻き込まれるのは何時だってその部下なのだから。


「ち、違いますよ頭領!」

「そうです!名前さまは毎回毎回千手柱間殿と楽しそうに戦っている頭領のこと気にしてるんですよ!柱間殿に嫉妬するくら『アヤメ!!!』…あ、すすすすみません名前さま!!でも名前さまは明らかに『それ以上言ったら・・・殺す』……はい」

「タツヤもだ、下がれ」


すごすごと影を背負って立ち去る兄妹に名前は深く溜息を吐く。そして状況を思い出し、先ほどから静かな男の様子を恐る恐る伺うと・・・


「うわぁ!!ちょっ、マダラ!!」


一瞬、気付けば名前はマダラに背後から抱きしめられていた。かあああ!と赤い顔で自分の状態に慌てた名前は必至で抵抗する。


「ん?大人しくしろ」

「いいから!離せ!!」

「ククッ……それ以上暴れるならもっと痛くするぞ?」


いいのか?と耳元で囁けば耳が弱い名前はビクリと肩を揺らし、それを自覚してさらに顔を赤らめた。


「それにしても“嫉妬”か・・・柱間にか?安心しろ、アイツに抱いている感情は好敵手に対するそれだ。お前とは比べようもない」

「なっ////ち、違ッ……!!?」

「・・・・・・それに俺の方がお前に近づく人間に毎度嫉妬しているんだ。お前に心配されている一族の人間とかな」


えっ?と聞き返そうとすれば開いた口を強制的に封じられた。





その後の展開は皆さまのご想像にお任せします。




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