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ハローベイビー、友情の時間を終わりにしよう


巴様リクエスト


人魚石IFオビト妹だったら(マダラ里抜け時人魚石主死亡設定)



***




神奈毘橋で岩に押しつぶされず救助されたオビト。彼を助けた老人は鎌を杖代わりに歩く、あのうちはマダラであった。

白髪に顔中に刻まれた深い皺。現存する彼を知る人間が見ても本人だと気づかないくらいだろう。人々を地獄のどん底に落してきた畏怖、内からあふれ出すカリスマ性、絶対的な力を併せ持つ男の末路か。


ゆっくりと腰を下ろしたマダラは自分勝手に難しい話を一通り終えると、オビトの見張りにトビとゼツを残し瞼を下ろし眠った。そのとき、手に古ぼけた紙を握りしめて。



一方オビトはゆったりしていられない。カカシは、リンはどうなったと仲間の身を案じていた。リハビリも兼ねてトビやゼツと接する内に自分の家族の話もするようになった。


「へぇ〜両親はもう死んでるんだ」

「・・・ああ。だからうちには俺たちしか住んでない」

「ん?俺たちって・・・兄弟でもいるの〜」

「謂ってなかったか?いるぜ、歳の離れた妹が


それまで眠っていたマダラはカッ!!と目を見開いた。そのまま杖もなくつかつかとオビトの傍まで老体のくせに走り寄ってくる。写輪眼全開で瞳のなかの巴をクルクル回しながらオビトの肩が軋むほど強く掴む。突然の奇行に吃驚するオビトたちを余所にマダラは妙に浮かれきった聲で謂う。


「お前にも妹がいるのか!!なあ妹はいいよな最高だ何故なら可愛いからだ。あの小さい手足を必死に動かして『お兄ちゃんお兄ちゃん』と駆け寄ってくるところなんかもう写輪眼でコピーしてもしたりない。どうして万華鏡写輪眼にはそのまま念写する機能がないのかとイズナと二人で愚痴ったものだ。嗚呼それにしても妹か…懐かしい。弟も一緒に修行が出来たりいざというときは背中を預けられたが妹、それも年が離れていると我が子の様に着飾る愉しみが生まれてくるというものだ。どうだオビト、お前の妹はお前に似て多少バカっぽいかもしれないが可愛いものだろう?まあ俺の妹には劣るだろうが同じうちはだ。写真はないのか?ない?何お前それでも兄か?!!普通クナイと傷薬と起爆札、それに妹の写真は常に肌身離さず持つのが常識だろう。俺も里抜けの時は名前のアルバムは何が何でも持ってきたぞ。見たいか?だがダメだ。勿体無い、俺の名前が減ってしまう」


爺のマシンガントークに固まったオビトは思い出す。

「(そういやぁ俺の妹ってこの爺さんの妹から名前貰ったんだっけな)」


云えね!ここまでシスコンなのがマダラとは信じたくないが現に目の前に本物がいる。
その男に「貴方の妹とそっくりらしいです」とか謂えば掻っ攫われる気がする。

両親が死に、オビトも中忍として忙しいため妹の名前は現在うちは宗家の棟梁が世話してくれている。オビトとは血のつながった兄妹なのだがフガクの息子のイタチが名前を「姉さん」と慕っているため迎えに行ってもオビトより兄妹らしい光景をよく目にする。

イタチもオビトには「オビトさん」と思いっきり他人行儀だから猶更か。5つ離れているが女顔のイタチと名前はパッと見姉妹である。勿論オビトは妹が好きだがイタチは妹に向けているベクトルの数は異常だ。そう、例えばこのマダラみたいな・・・。


べらべらと饒舌に語るマダラの琴線に触れたオビトを身代りに、いい加減耳タコなトビたちはさっさとこの場から離れた。


マダラがオビトの妹が嘗て死に別れた妹だったことを知るのはもっと後である。



***



おまけ 第四次忍界大戦にてオビトと合流したマダラ


着いた早々オビトを殺しに掛かったマダラの眼は血走っている。紙一重でその攻撃を躱したオビトはまさかの味方からの裏切りに唖然としたが、ペインという例があったため「どういうつもりだ」と睨みつけた。


「それはこちらの科白だ。お前こそ、何故黙っていた?」

「・・・?なにが」

「とぼけるな!!お前の妹が俺の名前だったと何故教えなかったアア!!」


辺りを焼け野原にしかねない特大サイズの豪火球を飛ばすマダラ。
茫然とマダラVSオビトを見るナルト達。


いつしか戦場は末期のシスコンマダラと、実兄だが普通の兄妹愛しかないオビト、そして血のつながりはないがシスコンと化したイタチとサスケチームの三つ巴の戦いと変わった。





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