呟きというか日記

羽化石が真面目な事からふざけた事まで書く場所です。

FGO2部7章 偉大なるカマソッソに情緒を破壊された感想

2023/02/16 21:46

 まず、前半までのカマソッソくんに抱いていた感情を書きます。
・デザインコンセプト(締まった筋肉質な体のセクシーな人外男性。大きな黒目。ただのギザ歯じゃなくて血を吸うための牙。人間の骨格とは全く異なる獣の手足。つまり全部)が私の推しスキルツリーの王道にある(7章やる前にスクショを一目見た段階で「!?」っとなった)
・パッと見ヒャッハーだけど見え隠れするクレバーさがよい。神としての自覚がありそうな発言がよい。言葉選びがいちいち可愛くて見た目とのギャップが大好き(カマソッソも怖気づくとか、オレへの謁見はここまでだ、とか)
・(もう皆言ってるけど)汎人類史に好感を持ってくれてるのがいい。そこから何故か人類最後のマスター目指してるの訳わかんなくていい。
・てかもう全部が良い。紅オルタちゃんに手を焼いてるのかわいい。チスイコウモリみたいに血を仲間に分け与えているのが見たい。ベルベット感触あんよ最高。逆さになって前掛け(後ろまで布が回っていない)が大変なことになってほしい。
・普通のキャラ人気もオルタ職人としての人気も既に絶好調じゃん。実装しちゃいなよyou(※ここで言うyouとは運営のことです)
・うおお後編の活躍が楽しみだみんなカマソッソ様を信仰する用意をしとけよ


 後半を読みました。上記の考えはある意味で的外れであり、彼の背景を知ることでようやく本当にカマソッソというキャラクターを好きになれたのだと思います。
 同時に、CCCコラボのメルトの如く時間を高速で逆行し過去の自分に鋭いキックをお見舞いしたくなりました(FGOではよくあること。竹箒日記のレッドラに泣かされた時から何も変わっていない…)
 特になんとも思わなかったキャラや苦手なキャラを好きにさせられる事は度々あるけど、まさか元々好きなキャラの「好き」のベクトルを全然違う方向に限界突破させられるとは思わなんだ。

 彼は気ままに飛び回るトリックスター神じゃなくて、王国民の命と希望を文字通り丸ごと背負った勇者だった。
 生まれつきの蝙蝠の神じゃなくて、ORTと戦うために人体の改造を重ねた人の王だった。
 神のくせに人類最後のマスターになろうとしてるんじゃなくて、そもそも彼自身が最後の人類だった。
 そんなこと、ある? あったんですねこれが。

 オルタサーヴァントたちの召喚は、後々ORT討伐の役に立つんじゃね? とは言われていましたが、そもそも戦う前から偉大なるカマソッソとカーンの人々のおかげだったなんて思わないじゃないか……

 カルデアがあらゆる英知を結集して最終的にククルカンさんの力を借りて倒したORTを相手に、カーン王国は人の力だけで戦っていたんだ……。
 おそらくカーン王国の文明は現代文明より進んでいたのではないか? という話もあったけど、最終的にカマソッソは10億人分の命を燃やしながら「不死身」以外の権能無しで戦ったと聞いて、私はもう胸が苦しくていっぱいになってしまった……。
「痛いのは怖い」と思っていてもそれでも戦ったから勇者王。みんなが命を捧げる価値があると思えるような勇者王。勇者王になれたからこその悲しみが待っていた勇者王……。
 
 偉大なるカマソッソは偉大過ぎていっそ悲しくなるレベルだった。辿り着いた先がミクトラン最強クラスの人類悪ってことはつまり、人類悪になるレベルのあらゆる要素をカマソッソは背負っているということ。
本人は「物語には涙する癖に民が死んでも悲しくない」と言ってたけど
・そもそもそれを「酷い事だ」と思えている。
・忘却しなければ自死してしまうほどの重圧を感じている。
・思い出した瞬間を「美しく蘇る」と称している
・人類悪になれている
つまりそういうことですよね……。っていうかあの慟哭が答えだよね……。
 痛みを忘却した状態で尚、「弱き者」を自称している、忘却は出来ても何も失われていない……。

「命を捧げるほどの王だったのか!家族を捧げるほどの国だったのか!……であるならばぁ!」
の叫びに全てが詰まっていると思います。
 檜山さんの熱演と合わせて、カマソッソを人類悪たらしめた人類愛の全てが詰まっている。
 この言葉が出てくる時点で、民にとっては100点満点の王様だったのでしょう。


思えば前半の物語に対するスタンスについても、「読者」としての発言じゃなかったんだろうなぁ。
彼はもはや誰も語り継げず、語り継ぐ相手もおらず、自分で語り継ぐには自罰の意識が強すぎる神話の主人公だったのだ。
(オベロンと相性が悪そうとか、わえちゃんと気が合いそうみたいな話もいろいろ出てたけど、寧ろわえちゃんを喜ばせる側だった)

 実装してほしい……んだけど、ビーストになるほどの重みを背負った、一人ぼっちの英雄をカルデアに召喚して戦わせるのが正解なのか分からなくなってきた。
 カルデアで楽しんでほしい。だがカーンの民が戻ることはない。彼に大切なものを再び背負わせてくれたニトクリスもいない。

 というかカマソッソくん関係なくニトちゃんがいなくなったの本当に悲しい。
俺゛の゛カルデアにニトちゃんはいるもん゛
絆レベル10のずっと一緒に周回してきたニトちゃんはいるもん。水着ニトちゃんもいるもん。

 そう、私努力家で自分の行いを決して正当化しないニトクリスというキャラクターも大好きなので、互いに「どうしてそんなに辛い生き方をするの」と問いかけ合うあの関係性が本当に本当に……。
 自分が辛すぎてできなかった「死霊の一人一人を覚えている」生き方ができるニトちゃんだからこそ、ついトラロック戦で助けに入ったり、しかし偉大なるカマソッソはニトちゃんを見て覚えた感覚を敢えて忘却しているので「不快」「脳が三分の一ほどおかしい」としか言えなかったり。
 そしてニトちゃんはニトちゃんで、全て忘れなければ(心の痛みから目を背けなければ)自身を保てないカマソッソの事を案じてくれていた。

 カマソッソからの一方的な執着ではなくて、ニトちゃんも確かにカマソッソから大切な気付きを受け取っていて、それがトラロックちゃんへ受け渡される。本当に美しいものを見ました。

 ニトちゃんとカマソッソの関係はめちゃくちゃ広い意味での「愛」なのだろうとは思いますが、その愛の種類を言い表すのも何なら対象がどれなのかも言葉を尽くさないと表せない。憐憫、思いやり、心配、憧れ、相手の運命への怒り、エトセトラ……。
 トラロック戦ではニトちゃんを助けた理由を言わなかったカマソッソが、最後に落下するニトちゃんを助ける際に「案じている」とこんなにも優しい言葉ではっきり言ったのは、忘却をやめて自分の心の痛みに向き合った証なのだろうと考えております。
 カマソッソは決して他者の死に対して不感症などではなく(そう思い込んでいただけ)、「今感じているそれは心の痛みだよ」と教えてくれたのがニトちゃんとの出会い……なのかな……

(これは人様のご感想なのですが、「最後にニトちゃんを助けようとしたのは自分のために身を投げる民の姿と重なってしまったからではないか」という意見にはっとしました)



 同じビーストTであるゲの字と比較される事も多く、いろいろなご意見を見て気が付いたのですが、要は生きた人理砲が偉大なるカマソッソなんですよね。
 人理焼却も実は異星の神等への対抗措置だったって話もあるくらいなので、人類悪になるには人類を滅ぼすレベルの愛が要る……(せっしょういん…キアラ……??へけっ? でも人は自分ただ一人と本気で思っているという裏技じゃなくてマジで人類を愛していたのだろう)

 第七異聞帯に住まう人々全体に「自分たちは滅んでもいい。滅びはいずれ訪れるもの。それでも未来は繋がっていくから」という考え方があって、カーンの人々もきっとそう思っていたのかな……。当の託されたカマソッソ本人は「自分は、自分の国は命を託されるに足る存在なのか」と何百万年も一人暗闇で考えていた訳ですが……。

「カーンの民がみんなORTに吸収されちゃった」ならまた変わって来ると思うんだけど、偉大なるカマソッソの場合自分自身の中にカーンの民がいるので自死が自死にすらならないんだ。


 偉大なるカマソッソが偉大なる民達に報いるためには、民を想う事も忘れて生きるしかなかった(そして結局全てを忘れられてなんかいなかった)。そんな矛盾と罪悪感を抱えて600万年。
 知っただけでとても苦しいんだ。

 偉大なるカマソッソの「10万年の歴史(ゆめ)がこの体を作り上げた」って台詞が好き。
どことなく優しく愛のある言い回しで、本当にカーンの人々と文明が誇らしいんだと分かるのが……。
 いくら死にたくとも彼らの誇りを失う訳にはいかないが、そのために誇らしい思い出を忘れるしかなかったのが悲しい。


 本編の偉大なるカマソッソはカーンの文明の総体としてのカマソッソは賛美しても自分自身の事は嫌悪していたけど、ニトちゃんとの出会いを経て少しだけでも自分を許せているといいな、そうだといいな。

と思いながら彼を「偉大なるカマソッソ」と呼んでいます。
 最後の独白から、ほんの僅かな星屑を掴んだだけかもしれないけど、確かに「救い」はあったと拙僧は解釈しております故……。


 それはそれとして、ニトちゃんに襲い掛かる時のスキン(よく見るとニトちゃんの杖に触手が絡みついている)とか、首元に牙が生えてる新差分とか血濡れ差分(よく見ると人型を保てていない)とか、湯治に行ってみたりとか勝手に好きな色を語り始めたりとか、「不遜」「絶殺」連呼とか、私の“癖”(へき)も沢山刺激されてもはや破壊される情緒が残っていない。

 カマソッソに感情を破壊された仲間たち、ここまで読んでくれてありがとうございます。




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