心拍数
※半兵衛さん女体化
同棲でもしてるんじゃないかな
この胸が脈打つうちは君をまだ守っていたい
生きる意味なんてそれでいいの
「…半兵衛」
「なんだい?秀吉」
「その歌はずるくないか?」
「そう?」
「…分からないならいいが」
「ふふ、嘘だよ。僕もちょっとあざといかな、と思ってた」
「…半兵衛……」
僕らはこの現代に、いわゆる『転生』をした。
確かに、互いに記憶が残ってるのを知った上でこれを歌った僕もずるいかもしれないが、…そこで苦い顔する秀吉の方がずっとずるくないか?
あれからもう四百年もたった。
それでもこんな顔させられる程僕は大切に思われてるんだと思っちゃうじゃないか!
「秀吉は…意外と馬鹿なんだね」
策士と呼ばれた僕が翻弄されっぱなしっていうのはなんだか気に喰わないから、皮肉を交えて投げ掛ける。
「後悔してたら別の選択してるよ」
分かれよ。
幸せだったよ、あの頃だって。
だからもう一度選ぶ気になったんだ。
「半兵衛。愛してる。また、我の隣で生きてほしい」
ほら、やっぱりずるいよ。
「今度は絶対幸せにする」
ここで指輪なんてさ。
でも詰めが甘いね。
「今度も、でしょ?」
君の隣、この場所に居られることにただただ感謝しかない。
生きていることに、君の隣で生きられることに、
「ありがとう」
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初/音/ミ/ク『心/拍/数/#/08/22』より
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