修学旅行小話

■59連載モノ小話■

ほぼ5&8。



***



「だあらさ、ふぉれも…」
「おい、バッツ…食うか喋るかどっちかにしろ」
「うぅ、ふこーる…むめてーなぁ」
「何を言ってるのかさっぱり分からないんだが」
「わーったって、もっもまっけ…」
「……(落ち着け俺)」

ここは、例のファストフード店…学校帰り、バッツからここへの緊急招集が時々かかる。
二割(多分)深刻な話、八割どうでもいい話だろうな…と思いつつ来てみれば、目の前には沢山のハンバーガーとポテトの山。
更にはドリンク、サイドのスイーツ系が机の上を覆い尽くしていた。

そして、周囲の視線をスルーしながら、それらを抱え込んで頬張るバッツ…曰く『ヤケ食い』らしいが…いかん、見てるだけで胸焼けが…。

「って、どこまで話したっけ?」
「最初から言え。簡潔に分かりやすく、だ」
「だからさ、今度の修学旅行酷いんだぜ!ジタンと俺、二人は離ればなれになる運命でさ!」
「……(帰りたい)」

とりあえず話を聞いてみると…要は何クラスかでA方向、B方向に別れて移動し、途中間に一日だけ合流日があり、そしてまた別々に移動して帰宅…という事らしい。

「ちょうどジタンのクラスで区切られちゃって…三日目だけ合流するんだけど、その間会えないって事じゃないか!」
「まぁ、そういう事になるな」
「せっかく、一緒に色々観光しようかと思ったのに…」
「お前、元々クラスが違うんじゃなかったか…?さすがに一緒に行動できないだろう」
「ん?そこはこう、上手くスルッと…でも、さすがにずっと居ないのはバレそうだからなぁ〜」
「…そうだな、今回は諦めろ」
「うーん、ティーダと俺トレードしたらいけるか…?髪染めて化ければ…」
「………(ちょっと待て、それはさすがに無理が)」

唸りながらハンバーガーに噛り付くバッツを置いて、俺はそっと鞄を抱え店を後にした。

(これは、後でジタンからも連絡がきそうな気がする…)

そんな事を考えながら駅までの道を歩けば、ズボンのポケットに入れたスマホが震えだす。
画面を見れば、案の定ジタンからで…。

(とりあえず、話だけは聞いておくか…)

ふう、とため息をつきながら、画面をタップする。

「もしもし?」

(それにしても…どうして二人共俺に言ってくるんだろうか…)

おかげで知らなくてもいい事ばかりが増えていく…いつか…覚えてろよ…。



〜fin〜



クラス云々が分かりにくいですね、すみません(;´・ω・)

2016/05/26 01:23



prev|TOP|next


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -