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定番となった着信音が鳴り響く

円からでなく、兄貴から

『お前、冬休みいつからだ??』

「確か、26だったはず・・」

25がクリスマスだから、その次の日の26日だったな
多分だけど、
曖昧だけど

『直ぐに帰って来いって父様が言ってたぞ』

「考えとく」

本当は帰りたくない
曖昧な返事を取り敢えずしとく
そうすれば、別に帰らなくても――

『・・・円に会いたくないのか』

「すぐに帰る」

円の一言で直ぐに意見が変わる
円のためなら、嫌いなアイツに会うことだって



出来るのだろうか

俺は親の言いなりだし
自分の意見だって言えない



さっきのことといい、なんかもう

ダメかもしれない

そんな時だ
『円に変わるぞ』

「え?」

理解できない内に聞こえてくる我が子の声

『パパッ』

「円、風邪とか引いてないか?」

『うん、だいじょうぶ』

「そうか、良かった。今度会いにいくからな」

『ほんと!!まーくん、まってるね!!』

俺が会いにいくと伝えれば喜ぶ円
可愛いなぁ

『まーくんね、パパだーーいすき!!だからね、パパにはやくあいたいの!!』

「そうか、パパも円のこと大好きだよ」

俺は円がいてくれるから頑張れる





円、情けない父だけど

俺は頑張るよ

早く、円に会えるように・・







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