03 ハッピーエンドのその先に



女の幸せ。それは結婚。
今時そんな事ないだろうと言われるけれど、実際してみるとわかる。
ずっと愛してきた人と結ばれる。たくさんの人に祝福される。
こんな幸せなことはないだろう。

「本当、名前は愛されてるね」

「幸せそう。羨ましいなぁ」

「誕生日に挙式とかロマンティックだよね!!」

友人たちが口々に叫ぶ。
そのとおりだと我ながら思う。
私たちはこの大切な日を、互いの誕生日である3月5日に決めたのだ。
もしかしたら、幸せと感じるのはそのせいもあるかもしれない。

「最高の、誕生日プレゼントだよ」

「こちらこそ。これ以上の誕生日はないよ」

「精市、だいすき」

「俺も、名前だいすき」

ぼろぼろと溢れる涙。
彼と共に歩むことができるのが、夢のようで、とても嬉しくて。

「ご、めっ……っく」

「そこまで喜んでくれて光栄だよ」

「もう、幸せすぎて死にそう」

「だめだよ、もっと幸せになるんだから」

私の旦那さまはそう耳打ちした。
くすぐったくて、うれしくて、はずかしくて。
顔を真っ赤にするとかつての仲間たちにからかわれる。
これ以上の幸せってあるのだろうか?


ハッピーエンドのその先に

私たちの新たなる物語がある

ね、精市。これからは同じ道を隣で歩いていいですか?



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