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創作のはなし。
2019/02/21 04:32


あくまでDDの主人公は鱗樹なのですが、真爛は裏の主人公という位置づけです

一章を書いていたころはループものにする予定などは全くなく、シリーズとして二章を書き始めた時も一章のような感じで短編集にするつもりでした
ですが、思ったより設定が壮大になってきたので、三章が終わるあたりでループの構想を考え始めました

四章まで書いたところでしばらく期間が空き、近年リメイクとして改めてループものとして再構成することにしました
そのため、当初の文章から大幅に変えた部分もあります

弱かった心理描写を付け加えたり、ループの起点となる部分を設定したり
何度も加筆修正をしながら作っていきました

今回五章を追加するにあたって、どうしてもやりたかったのが最後のページのギミックでした
紙の本では表現できない、実際にループするネットならではの表現がしたかったんです

リメイク版DDは、簡単に言うと鱗樹の処刑を巡るループに陥ってしまった天界を真爛が救おうと奮闘する話です
四章で、まるで見ていたかのように詳細に推測を披露した真爛に違和感を覚えた人もいるのではないでしょうか

真爛はループに陥ってからずっと、ただ一人すべてのループを知る者として記録を続けています
干渉しなければ世界は同じループを繰り返します
彼の干渉によって少しずつ変化を見せてはいますが、現時点で根本的な解決には至っていません
ちなみに一章と二章以降は異なるループという設定でした
なので、二章以降に一章の話は出てきません

最初に鱗樹が人間に恋をし、処刑される展開になった時、真爛は大剣で鱗樹の処刑をしようとしました
重罪人であり、二度と生まれ変わらぬように魂ごと抹消するのが決まりだったからです
しかし、鱗樹の魂は大剣の力を弾き返し、浄化されずに残された罪は天界の穢れとなって天紅の祈りを超えて天秤を壊してしまいます

それ以来、崩壊と再生を繰り返す世界の中で、真爛は一人でループの条件を探しています

本編の中で、京子や鱗樹をいきなり殺したり、他の登場人物にループに関して相談したりしないのは、もうすでに試しているからです
誰も真爛の言うことを信用しませんでした
天秤に詳しいのも、ループの中で学んだからです

鱗樹は大剣では弾かれるので殺せない
大鎌では殺せるけど、それだと罪が軽減されない
浄化されなければ罪の重さがそのまま穢れの大きさとなり、天紅の処理能力を超えるため穢れが溢れる
溢れた穢れは天秤を崩壊へと傾ける

だから、処刑はしかるべき手順を踏まなければならない
さらに言えば、天秤を壊すほどの罪を鱗樹に犯させてはならない
というのがポイントでしょうか

今回のループでは、やはり鱗樹の恋を止めることができませんでした
しかし、今回は起点となりそうな時鳥の暴走事件後しばらく平穏を維持できていたので、真爛は抜け出せるかもしれないと希望を持っていたと思います
その分、最後に大鎌を振るった時の残念な気持ちは強かったんじゃないかな

真爛は元々処刑人なので、表情が乏しいのは昔からですが、ループを繰り返して疲れているのもあるでしょう
彼は悪魔としては至極真っ当なタイプです
悪魔らしくない鱗樹とは対極にあるようなイメージで書いています

今回のループでの真爛の誤算は
・紅礼亜の堕天
・天紅の暴走
の主に二つです

特に前者は堕天したことによりループから外れてしまうので、今後のループ展開に影響を与える可能性があります
ちなみに堕天しても見た目は変化しません
なので、燃鱗たちは紅礼亜の堕天に気づけませんでした
魂が死んだらそれきりになってしまう代わりに強大な力を手に入れることができます

天紅は本編で一度も喋らなかったのですが、紅礼亜の堕天を許した時点で暴走は始まっていたと言えます
彼女が暴走することによって祈りがおろそかになるので、穢れがどんどん溜まってしまいました
しれっと彼女と書きましたが、天紅は一応女性です

紅礼亜が抜けた次回のループがどうなるのか、天紅は何故暴走してしまったのか、真爛が最後に石像の前まで鱗樹を連れて行ったのは何故なのか、ループを抜けた先にはどんな未来が待っているのか……
このあたりを想像しながら、次回作をお待ちいただければと思います


思ったより長くなってしまい、余計に分かりにくくなったかもしれませんが
少しでもやりたかったことが伝われば幸いです

ではでは
DD2をお楽しみに。




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