スカイ様キリリク。
チェレン×Ｎ
｢え､ぬ！｣
緊張のあまり、声が裏返った僕をＮは小さく笑った。
思わず赤面してしまう僕を可愛いと言うＮに、お前の方が可愛いわ！と心の中で叫ぶ。
｢Ｎ､ちょっと大事な話があるけどいい？｣
うん、と頷くＮ。
大きく深呼吸して、少しでも気を落ち着かせようとする。
そうだ、僕は人生初の告白とやらをする予定なのだ。
｢あのね､｣
｢なんだい？｣
｢………えっと｣
ああもう！大切なところで口ごもる僕自身を憎んだ。
あ、やばい手が震えてきた。
(どこまで僕はヘタレなんだ！)
｢…チェレン君､手が震えてるよ？｣
心配そうに言うＮに僕は慌てて違うんだ、と言う。
なにいってんだ僕は。
別に何も違わないのに。
｢これはえっと､緊張で…｣
｢緊張？え､なんでチェレン君が僕に緊張してるの？｣
｢それはえっと…｣
｢…？｣
ダメだ！好き、だなんて言える気がしない。
たったの二文字なのに僕には重すぎる！
今度でいいや、僕が諦めようとした時、
｢…チェレン君まさか僕の事嫌いになった？｣
｢は？｣
わけわかんない、なに言ってるんだ。
むしろその逆なのに。
パッとＮを見てみると涙目で。
いやいやいや、なんで彼はこんなに目に沢山の涙をためてるんだ。
僕の頭は答えが見つからず、ひたすら混乱するばかり。
｢だって､さっきから話をしてる時目を合わせてくれないじゃないか｣
無意識だった。
でもそれは嫌いだからじゃなくて、緊張からきたもの。
今から告白するって時に目なんか見て話せるか。
僕だったら出来ない、今でもこんなに緊張してるのに。
でもそのせいで誤解を招いてしまった。
(どうしたらいいんだ)
｢僕､チェレン君に嫌われたくないよ｣
綺麗な瞳からは、ぽろぽろと大粒の涙が溢れる。
やばい、Ｎに嫌われたくないって言われた。
……嬉しい。
まずいな、自然と頬に熱が集まってきた。
｢き､嫌いになった訳じゃないから｣
｢よかった…｣
｢むしろその､｣
やっぱり口ごもってしまう僕に、Ｎは不安げな視線を向ける。
もう、言ってしまおうか。
やけくそになった僕はＮの肩をがしりと掴んだ。
｢わ､びっくりした…！｣
｢僕､Ｎの事が｣
｢へ？｣
心臓がうるさく鳴り始めた。
もうそんな事知らない。
男ならやってやれだ！
赤くなる顔を隠すように、Ｎから視線を背けた。
｢チェレン君？｣
｢あのさ､｣
(｢どうする？｣
Ｎの頬が赤く染まった気がした)
2010/10.09
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