叶わない事ぐらい | ナノ




神威×初期沖田



もしも、もしもの話をしようか。


まずあたしが真選組の1番隊隊長じゃないの。ごく普通の女の子。いや、あんたと同じ夜兎でもいいな。
ちょっと何笑ってんの。ありえないって?だからもしもの話って言ってるでしょ。ほら、ちゃんと聞いてよ。


そんで適当にあんたと出会って意気投合すんの。まあなんだかんだで仲良くなる訳。
普通に晴れの日はあんたのそのおんぼろの傘差してさ、散歩すんの。街中でダラダラーっと。
雨の日は一緒にびしょ濡れになって遊ぶの。
え?そんなのつまらないって?あんたはつまんなくてもあたしは楽しいの。


些細な事で喧嘩したかと思えば些細な事で仲直りすんの。
喧嘩っていってもあんたの考えてる血を流す様な喧嘩じゃなくて、口喧嘩だよ?
またつまんないって。あんたはあたしを殺すつもり?ちょっとそこは否定しなさいよ。あんたが言うと冗談に聞こえないから。


続きは、ってやっと気になってきた様だね。もうそんなに急かさないで。
でね、あたし達はおんなじ家に住んで、毎日一緒に過ごすの。もちろん家事はあんたがやりなさいね。



そしてあたしはあんたの子供を産むの。
強い子が生まれるねって、あんた本当そればっか。あたしが産んだ子供になにさせる気よ。つーか最後まで聞いて!


子供が成長していく姿をあんたと一緒に見届けるの。あ、ダメダメ。喧嘩はさせないよ。
そして子供が結婚して、あたし達はおじいちゃんおばあちゃんになってね。
一緒に死ぬの。


どう?こんな人生も悪くないと思わない?
でしょ?まあ、もしもの話なんだけどね。
ああ、いいよ。分かってるよ。言わなくても。



(全部、全部、夢のまた夢だって分かってる)




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