何も変わらない毎日 | ナノ



めぐ様キリリク

沖田と初期沖田と神楽




「総羅ー」

「総悟ー」



いらいらいらいら。なんなんだこの双子共。さっきから私の前でいちゃいちゃしやがってふざけてんのか。しかも目の前に私が居るのにも関わらず、もう私は居ない者とされている。
自分の怒りを隠そうともせず、舌打ちを一つすればやっとあいつらは私の存在に気づいたみたいだった。



「あ、チャイナ」

「あ、チャイナじゃねーヨ。お前ら喧嘩売ってるアルか?」



また舌打ちを一つしてから唾を吐いてやった。汚ねー、と言葉を零してからそれを交わす少女。するとすぐに出てくるシスコン野郎。きっと口を開けば出てくる第一声は俺の妹になにすんだ。これにきっと間違いはないだろう。



「てめぇ俺の総羅に何してくれんだ」



ほら、きた。面白いほど自分が思っていた事と同じだったから笑ってやった。するとすぐに何笑ってんだ、と怒声が響く。もうこれは私達の喧嘩の合図。生憎売られた喧嘩は買う主義の私はそれをスルーする事なんて出来ない訳で。すぐに反発の言葉を吐いた。



「ああ、あまりにも私が思ってた事とおんなじ言葉がお前から出たから笑っただけヨ。本当馬鹿で単細胞アルな」

「んだとクソチャイナ」

「おーおー、やるアルか?かかって来いよクソガキ」

「そうやって余裕ぶちかませるのも今のうちだけでィ!」



そう言ってすぐに殴りかかってくるサドをさらりと交わす。が、すぐにまたくる攻撃に私も"攻撃が最大の防御"と言わんばかりに殴りかかった。
チラリと総羅を横目で見れば、また始まったと呆れている。


(ごめんヨ、総羅。私こうでもしないと、)


いつもあいつは妹ばっかだった。口を開けば総羅、総羅、って。もううんざり。私と話をしていても上の空でまたあの娘の事を口走る。全然私なんか眼中にないみたいで。だからなんだよ。だから私はこうやって奴に喧嘩を売る。喧嘩をしてる時だけ奴は私を見てくれた。

本当馬鹿は私だよね。

こうする事しか出来ない馬鹿で単細胞な私。それでもあいつが私を見てくれた証と思ったら、喧嘩で増えるかすり傷やら痣は嬉しくて仕方ない事だった。
こんな事言ったら馬鹿にされるから絶対口にはしないけど。


ただ私はあんたらの中に踏み込みたかっただけ。
ただ私が知らないあんたらを知りたかっただけ。
ただ、私をのけ者にしないでほしかっただけ。

だから私は、今日も喧嘩を売る。







(それが変わる日を信じて、)






2011/05.30
神楽ちゃんは沖田君に好意があるんじゃなくて、仲間外れにされるのが嫌だったみたいな。
リクエストありがとうございました。




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