馬鹿同士 | ナノ




※ぬるいですが一応注意






「本当あんたって馬鹿」



屋上で当たり前の様に授業を一緒にサボっていたら俺の愛しい人が隣で呟いた。何を今更、って顔で見つめてやればやれやれといった様子で立ち上がる。すると普段は見下ろす総羅の顔を見上げる事になる。ちょっと新鮮だ、と口元を緩めれば即座にキモい、と形の良い唇が毒を吐いた。



「いきなりなんだヨ」



俺が言葉を返した後すぐにびゅうっと大きな風が一つ。
少女の一つに括ってる髪はさらりと靡き、スカートはひらひらと舞う。あの行為をする時以外、あまり見えない総羅の白くて綺麗な太ももが目に入り少しムラっときたのは秘密にしておこう。

(あ、パンツ見えた)

そのまま思った事を口に出せば、俺が知っている普通の女の子ならキャーとか、えっちー、とかなんとか騒いでどうにかこれ以上パンツを見せるもんかと隠す筈なのに、目の前にいる女はしらりとした表情で俺を見てから、で?なんて言いやがる。
本当可愛くないなあ。



「襲っちゃうけどいいの?」

「兎さんは性欲強いでちゅもんねー」



馬鹿にした様に言うからちょっとムカついた。本当に犯してやろうか、と一瞬そんな事が頭を過ぎったけどここは学校だ。止めておこう。一応俺にも常識ぐらいあるんだからね。
でも何もしないのは俺の癪に障るから息をする暇も与えないキスを浴びせてやる。



「…っふ、」



キスをしてる時に度々零れる色がついた声。嗚呼、ダメだって。ダメなのに、もう俺の理性は崩壊寸前。だから名残惜しいけど彼女を解放してやった。
すれば、どちらのものか分からない銀の糸が彼女の唇を濡らす。それを挑発的に舐め取る彼女に理性の壁が崩れる音が耳元で聞こえた。本当俺って馬鹿。



「ほら、そういうあたしの挑発にすぐのるとことか超馬鹿じゃん」

「本当、総羅の言う通り。だからちょっと黙って」



五月蝿く動く彼女の唇に掌を被す。それから首元を舐めてやった。すると掌の隙間から漏れるくぐもった声。なんかエロい。超興奮する。

そのまま舐めたりなんやりと事を進めていったらとんとん、と俺の掌を突かれた。ああ息苦しいのね、仕方ないなあ。被せていた掌を外してやれば彼女は酸素を求めて息をする。その姿にさえ興奮した俺はもう末期なのかもね。



「本当馬鹿って大嫌い。馬鹿は死ねばいい」



呼吸を乱して、やっと出てきた言葉はそれか。でもそんな馬鹿に感じてる総羅はどうなの、と言えば亜麻色の瞳が揺れた。あー、可愛い。愛しい。このままぶち込んでやりたくなったけど我慢我慢。総羅が痛みに涙するのも嫌いじゃないけど、総羅が怒ってしばらくおあずけなんてたまったもんじゃないからね。
だからゆっくり深呼吸してまた事を進めた。



「はは、本当あたしもばか」



ぼろり、彼女の瞳から涙がこぼれた。






馬鹿同士
(仲良くしましょ)




2011/05.07