高尾と緑間



「真ちゃん、セックスしようか」



顔面に衝撃が走る。どうやら俺は真ちゃんに思いっきり、それはそれは力いっぱい鞄を投げられたらしい。手加減というものを知らない緑間はこちらをきつく睨みつけてる。
温かい何かが鼻筋を通りそれに触れて見ると赤い液体。どうやら鼻を切ったみたいだ。つー、と相も変わらず流れるそれを手の甲で拭う。が、すぐまた溢れ出た。もう拭うのも面倒で垂れ流す事にした。みっともない?うるせえよ。



「いてえよ緑間ー」

「貴様、殺されたいのか?」

「なんで?好きなんだからよくね?」

「それはお前だけの話で俺はお前なんぞ、」

「うるせえ、黙っとけよ」



そのまま無理矢理緑間の薄い唇を奪った。混乱し頭が今の状況についていかないのか、いまだ抵抗はなく大人しいまま。これは好都合、と少し開いたそこに自分の舌を捩込んでやった。乱暴に口内を荒らしながら、少し目を開け緑間を見る。やっと状況を理解したのか俺の胸を強く押す。
がたり、と椅子がゆれた。逃がさないように緑間の後頭部を強く掴んで深く口づければ、鼻にかかった声が漏れる。あー興奮する。
最後にわざとらしくリップ音をたて、唇をはなした。



「あー、えっろい顔してんね」



緑間は肩で荒い呼吸を繰り返し、どちらのものか分からない唾液が唇の端を濡らしていた。とても卑猥である。視覚的の刺激が強すぎて頭がくらくらするのは仕方ないことだろう。



「ねえ、続きしよっか」



ぱん、と思いっきりビンタされた。頬に手を当てれば、熱いしじくじくと痛かった。紅潮した頬、更に涙目で俺を睨んだところで煽りにしかならないのは知っていますか、真ちゃん。




2012/10.02

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