高尾と緑間



正直悪かったと思っている。緑間はそれはそれは俺に怒っていた。何度も真ちゃん、と呼んでも返事どころか目も合わせちゃくれない。

隣にいる緑間がものすごく不機嫌な理由は数時間の話だ。
いつもの様におは朝を観ようとベットから起き上がる緑間の腰に強く抱き着いた事から全てははじまった。

それより何で俺が真ちゃんの部屋に居て一晩泊まってるのか。それは詳しく話せば長くなる為省略するが、簡単に説明すれば俺は部活で足を捻った。
別に歩けないほどではないが、多少はずきずきと痛む。さすがにリヤカー繋げた自転車は漕げねえわ、と笑う俺に突然の真ちゃんのデレが発動し俺は真ちゃんの肩を借りて帰宅することになった。そこまではよかったんだが、まさかの通り雨のおかげで身体はびしょ濡れ。不運続きに気力を根こそぎ持っていかれてたところ、真ちゃんの貴様の家より俺の家のほうが近いから来い発言に甘えてお邪魔させてもらった。更にはお風呂までお借りし、遅い時間になってしまったからとそのまま泊まることになったのである。すごい一日である。



「真ちゃーん、機嫌なおしてよー」

「……」

「ねーえー」



話を戻すが、何故緑間がこんなに怒っているのか。先ほども言ったようにおは朝の為にベットから下りようとする緑間の腰を掴み、そのまま力任せに緑間をベットに戻した。
離せ、離さない、のやり取りを数回繰り返したあと、緑間は強行突破と言わんばかりに俺の腕を引きはがそうとした。が、俺は足を器用に使い緑間にがっつりしがみついた。
あとは簡単だった。急に大人しくなる緑間。一応足を怪我している俺に手荒な真似は出来なかったのだろう。



「悪かったってー!真ちゃんと一日居れて俺も舞い上がっちゃってさー」

「ふん、これだからお前は駄目なのだよ」



やっと口を開いてくれた緑間に胸を撫で下ろす。
もう一度ごめんなー、と言えば鬱陶しそうにこちらを見つめたエメラルドグリーンの瞳。あともう一押しで許してくれると、真ちゃんを分かりきっている俺はしつこく謝罪の言葉を述べた。



「もういいのだよ!しつこい!」

「だって真ちゃんなかなか許してくれねんだもん」

「…蟹座の順位とラッキーアイテムが分からない。これでは外出できないのだよ」

「なら今日も一日中俺と一緒にいようぜー」



数時間前と同じ様に緑間の腰に懲りずに抱き着けば、今度は抵抗されなかった。





2012/10.01





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