宮緑と高尾※
ぬるいですが一応注意
今日は先に帰れ、と珍しく緑間に言われた。正直この時素直に帰ればよかったんだ。帰ればこの緑間の色がついた声なんか聞かずにすんだのに。こんな気持ちにならずにすんだのに。
「み、やじさ、」
「うるせーな、なんだよ」
「あっ、す、きです」
「ーーっ、お前本当そういうのやめてくんない?」
シャワー室から聞こえる声に俺は耳も塞げず、足も動くことなくただその場に突っ立ってるしかなかった。卑猥な音が嫌でも耳に入り、そこで何をしているかなんて馬鹿でもわかる。
どうもすぐそこで繰り広げられる行為を認めたくなく、真ちゃん今日は歩いて帰るのかな、などその場には不釣り合いなことを考え気持ちを紛らわす。それでも息が出来ないくらいに胸が締め付けられるこの苦しさはおさまることはない。
「あ、す、きですみやじさ、あぁ!」
「うるせー俺もだよ馬鹿」
俺は緑間が好きだ。どうしようもなく好きだ。頭の中で何度も犯した緑間が俺じゃない違う誰かに犯されていて。
宮地さんになれたら、なんて。濡れる瞼を力強く拭う。そんなこと考えても無駄なだけなのに。少し遠くから聞こえる緑間の喘ぎ声だけに意識を集中させる。瞼を閉じればあいつを犯す俺がいた。
身体は正直とばかりに熱をもっている自身に手を伸ばしてしまう俺はどうしようもないやつだ。
2012/0924
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