仲直り(高緑)



真ちゃんと喧嘩した。
だから休み時間も、移動教室の時も、部活の時も、口をきいてやらなかった。ちょっとぐらい俺の大切さみたいなのに気づいたかなー、なんて思った自分が間違いだった。
相変わらず真ちゃんは真ちゃんで。俺を気にする様子など微塵もないし、今だって俺を置いてさっさと帰ろうとしている。なんだか俺が居ないほうがイキイキしてる様に見えなくもない。
なんなんだよちくしょー。依存してたのは俺だけかよ。緑間の馬鹿ハゲ眼鏡。小石なげてやる。でも真ちゃんに怪我させる訳にはいかないから緑間の近くに片手いっぱいの小石を一つずつ投げた。
相手の気のひきかたが小学生並みだが、真ちゃん相手にはこれしかない。仕方ない。
自分の周りに投げられる小石にようやく気づいた緑間がこっちを見た。が、心底嫌そうな顔をしたあとまた正面を向く。

こんの野郎、最後までシカトこくつもりか。むかつくから全力で走って緑間の真後ろまで行き、足元にしつこく小石を落とす。
最初は無反応だったものの、こうもしつこいと我慢の限界がきたみたいで勢いよく振り返り俺を睨みつけた。



「なんだよ」

「なんだよってお前がなんなのだよ!!さっきから石を投げて!」

「俺じゃない」

「ならお前のその汚れた手はなんだ」

「ちょっとそこでまっくろくろすけ潰してきたのだよ」

「真似をするな!」



全くお前と言う奴は!とぶつぶつ文句を言う緑間は相変わらずだし、俺が少しでも口端を上げれば何で笑っているのだよと更に怒るし、扱いづらいし、それでも、お前とはもう付き合いきれんとかなんとか文句を言っておきながらも、俺と歩幅を合わせちゃう緑間に笑うなと言うほうが無理なのに。
付き合いきれんなら俺を置いてさっさと行けばいいのになんでだろうね、なんて言ったら緑間はどんな顔をするのだろうか。



2012/08.15


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