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『…ええと、今なんて?』

「だから、俺っちは遊園地行きてェなって話!誘ってくれてたんじゃねェの?」

『あ、はい、確かに誘おうとはしてましたけど…』


私が困惑しながら俯くと、先程の慌てようを感じさせないほど落ち着いた燐音さんが私の顔を軽く覗き込んだ。


「なまえちゃんはさ、もしかして立場とか気にしてくれてた感じ?」

『…はい。だって、スキャンダルとかは絶対にあっちゃいけないし、』

「…確かに、大事だよなァ。…でも、俺っちは、せっかくなまえちゃんが誘ってくれたから、行きてェなって思うぜ。」


一つ一つ、言葉を整理しながら話してくれる燐音さんに顔を上げる。燐音さんはいつもの調子で笑った後、また口を開く。


「遊園地、行くんだろ?」

『……はい、行きたいです!』

「ん、じゃあ決まりっしょ♪」


あっという間に決まった予定にぽかんとしながら燐音さんを見つめる。すると思いついたように目を見開いてからスマホを取り出した。


「連絡先交換しねェ?知らないといろいろ不便だろ?」

『あっ、そうですね。えっと…はい、これです!』

「お、ありがとな!」


私のスマホに映ったQRコードを読み取った燐音さんが口元を緩めながらスマホを見ている。不思議に思って見ていると、なんでもないと言って懐にスマホをしまった。


「…んで?いつ行くんだ?」

『私と燐音さんのお休みが重なってる日がいいですね…』

「そうだなァ…俺っちは今週の土曜はオフだぜ。」

『あ、少し待ってください……うん、土曜日なら私も1日お休みです。』

「お!じゃあその日にすっか♪」


カレンダーアプリを開き、土曜日に予定を入れようとする。なんと打ったらいいのか分からないので、とりあえず遊園地と書いておいた。


『…楽しみ、ですね。』

「…おう。俺っちも楽しみだぜ♪」


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『今日はありがとうございました!楽しかったです。』

「おー。俺っちも楽しかったぜ♪じゃあ午後も頑張れよ!」

『はい、燐音さんも。』


ひらひらと手を振りながら去っていく燐音さんに少し頬が緩んだ。柔らかくなった頬のままあんず先輩の元に向かうと、案の定「何かいいことがあった?」と聞かれてしまった。
先輩に土曜日のことを話すと、手を握られる。


「なまえちゃん、確か明日休みだったよね?」


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