君をみているだけで、心がふわふわと空を飛ぶような気持ちになる。とても優しい気持ち。家族に向けるそれのようで、実は全然違う。君にしか抱かない感情がある。君にしか生まれない感情がある。

「書記」

 ゆっくりと振り向く君。俺の名をかたち作るその唇。“翼君”と一言。呼ばれただけで、自然とまた温かな気持ちになった。君がいるだけでこんなにも優しい気持ちになれるなんて、俺はおかしいのかもしれないね。

 だけどね。そっと包みこむように傍にいて、溢れるほどのいっぱいの優しさを君にあげることができたらって思うよ。熱く止まらないこの鼓動も、君が温かいと笑ってくれるから止める必要さえないと思えるんだ。