眩しくて掌を翳してもギンギンと照る日差しに目を細める。ボールを蹴る音がやんで、グラウンドにへたり込んだチームメイトたちは熱いだるいという言葉を繰り返し呟いていた。兎にも角にも俺は拓矢を巻き込んでこのサッカークラブに入ってはじめての夏をむかえていたわけで。

「うわぁ……」
「なんだよこの世の終わりみたいな顔して」
「いや、むしろ終わった」

 なんでってお前。

「あれ、もしかして水筒忘れたの?」
「……分かってんならよこせ!それ!」
「水道まで行ってこいよ俺これしかないし」
「わ、なんだよそのちっけぇペットボトル!夏の暑さなめんなよ……」
「いや、忘れた飲み物自体忘れたお前の方がなめてんだろ」
「ごちゃごちゃ言わずよこせこのやろー!!」

 やめろよばかなんていう相手からペットボトルを奪い取るとぜぇぜぇと息を切らしながらもういいやって呆れた表情で俺をみる。はじめから大人しくしていればいいものをなんていいうと全部は飲むなよって念を押されて流石にそこまでしないって親指を立てた。



It was
r
eally disgusting


 全然まったく本当に何も考えてなかったっていうか男同士だし関係なくねって、は、いや、なんなのマジで!!その様子をみてたチームメイトのひとりが間接チューだなんて騒ぎたて出して暫く冷やかされたとかほんと理解できない!と恥ずかしさやらなんやらでよく分からなくなってしまいながらも文句を言う俺に拓矢は分かってたって表情で、あいつらバカだから気にする必要ないって言ったけど。そうゆうの、気にしてるとか違うんだ。いつもは一緒に騒ぐくせにこんなに冷やかされても平然としてる拓矢って少しだけかっこよくて、なんか、なんか。すごく嫌だった。

(……お前ばっか大人みたいだ)