なにそれマジボケ?天然? | ナノ
[なにそれマジボケ?天然?]

※臨也と新羅が腐男子
※ネタですがドタシズ及びシズドタ要素がちょっとあります。







 腐男子、という言葉をご存知だろうか。
 これを読んでいる段階でそういう知識があると見なすけれど。分からない場合はググってみよう。
 まぁ、俺はその俗にいう腐男子なのだ。そして、俺の最近の萌えは同級生の友人達にある。

 「静雄、口の周りに食べかす付いてるぞ」
 「え、ドコだ?」
 「ちょっとじっとしてろ。とってやる」
 「ん、サンキュ」

 はい。この目の前でイチャついてくれてる二名。門田京平くんと平和島静雄くん。俺はドタチンとシズちゃんって呼んでるけど。名前から分かるように、二人とも歴とした男である。この二人がもう、たまらなく萌えるのだ。ボーイズにラブってしまえよ二人共!

 「今日も門田くんと静雄くんはいいイチャつきっぷりだねー」

 ちらと横を見れば、友人である岸谷新羅がにやにやとした笑みを浮かべている。彼とは中学時代からの友人だ。そして、彼も腐男子である為、日々こうして萌えを分かち合っている。俺自身、自分がどうしてこんな趣味なのかは分からないが、好きなものは好きなのだ。理屈じゃない。

 「やっぱりシズちゃんが受けかな……」
 「えぇー、僕は静雄くんは攻めだと思う」
 「いやいやシズちゃん受けだろ。可愛いじゃんか」
 「静雄くんってカッコいいタイプだと思うんだけど」
 「ドタシズだって。分かってないな新羅は」
 「何を言われようと僕はシズドタ」

 こんな感じで日々過ごしているわけだ。ちなみに今は昼休み。俺、新羅、ドタチンにシズちゃんの四人で屋上で昼食をとっている。その中、シズちゃんとドタチンのやり取りを見つつ、俺と新羅はささやかな妄想を繰り広げているのだ。

 「ドタシズだなドタシズ」
 「いやシズドタだよ」

 ドタシズだのシズドタだの、要はどっちが突っ込むか(露骨でごめん)ってことなんだけど。俺はシズちゃんは可愛いな、と思うし何だか受けくさいと思うんだけど、新羅はシズちゃんが攻めに見えるらしい。新羅と小声でそんな言い合いをしていたら、シズちゃんがじっとこちらを見て、ぽつり、と呟いた。

 「お前ら仲良いよな……」

 シズちゃんは、何処か寂しそうな目をしてそう言う。どうかしたのだろうか。ドタチン、シズちゃんを慰めてあげて。そうすれば、シズちゃんは元気になって、俺も萌えて一石二鳥。

 「俺とは仲良くしねぇくせに」

 ぎろり、とシズちゃんは俺を睨む。どういうことなのか。仮にも可愛い、と思っている相手に睨まれるのは気分が悪い。尤も、シズちゃんは顔が良いので、どんな表情も様にはなるのだが。
 戸惑いながら、助けを求めるように新羅を見ると、彼はにんまりと笑顔を浮かべていた。萌えを発見した時の顔だ。

 「ちょっと、新羅何笑ってるんだよ」
 「あれ?臨也、分かってないの?」
 「何の話だよっていうか、シズちゃんから凄く睨まれているのは何故」
 「本当に分かってないの?鈍いな臨也はー」

 何か知った風の友人を問い詰めても、からからと小気味よく笑うばかりで話にならない。その間も、ずっとシズちゃんに睨まれているのだ。たまったもんじゃない。
 一頻り笑った後、新羅は俺の耳に口を寄せ、声を潜めて言った。




 「シズイザもアリだよね?」




 瞬間、思考は停止する。シズイザ?静雄×臨也?静雄×俺?シズちゃんが攻めで俺が受け?

 「いやいやナシだろ。なにそれマジボケ?天然?」

 早口で否定しながら、アリかも、なんて思ってしまったなんて。さっきまで萌えとして見ていただけなのに、ああ、シズちゃんの顔がまともに見れない。




 それから幾ら経った日だろうか。俺とシズちゃんが付き合い出したのは、もっと先の話になる。








途中からドタチン空気。ごめん

2011.02.12 桐生唯人

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