「もう言いません!」








外に出てからは気まずい空気が流れてる。どうしよう、何話したらいいのかな...



「名前...びっくりしたやろ?」

「えっ、あー、はい...」

「...もっかい言うてええか?」

「えっ!?」



そういうと、謙也先輩はあたしの方に向き直った。顔はいつも異常に真剣で、すごくかっこいい。街灯に照らされていて、さらにかっこよさは増す。









「俺、名前のこと好きやねん」













「あたしもです」













「えっ!?なんやて!?待って、すまん、もう一回や!」

「もう言いません!」

「事実確認したいんや!俺、聞き間違ってないやんな?」

「先輩のばか」




あたしは恥ずかしくなって、謙也先輩に身体を寄せた。



「っ...」



謙也先輩も受け入れてくれてあたしの身体に腕を回した。謙也先輩の匂いとシトラス系の制汗剤の匂いがすごくマッチしていて、落ち着いた。



「あの、先輩...」

「ん?」

「あたし達、両想いですか?」

「...せやな」

「ふふ、やったぁ」




あたしはそう言って謙也先輩の胸元に顔をうずめると、謙也先輩は腕の力を強めた。





「名前、今日から俺の彼女でええんやな?」

「当たり前です!!」



憧れの謙也先輩の彼女なんて、あたしは幸せ者ですっ!



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