「せやな」
明日の準備とかみんなの体調とか書き終わったあたしは、女テニの宿舎へ向かおうとしていた。ふと、夜空を見ると星が綺麗に輝いていた。
「星、きれー」
「せやな」
「えっ?」
「名前、おつかれ」
「謙也先輩!どうしてこんなところに」
「走ってたんや。部屋戻ろうと思うたら、名前と会ったっちゅー話や」
「なるほど...先輩もお疲れ様です」
「ええ汗かいたから、風呂も気持ちええやろな」
「そうですね」
汗を拭きながら夜空を見上げる謙也先輩は、手に届かないはずの星より届かないところにいるような気がした。
「元気ないん?どうかしたんか?」
「少し疲れたみたいです。もう行きますね?おやすみなさい」
顔を覗かれるとあたしは一瞬にして鼓動が早くなったのが分かった。もしかしてあたし...
謙也先輩に恋してるのかも。
「また明日な、名前」
そう言って笑う謙也先輩がどうしようもなくかっこよかった。
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