きゅうわ
「黒子くんだ...」
思い出した、全部。
あっくん、さつきちゃん、大輝、真ちゃん、黄瀬くん、赤司くん、黒子くん。全中の日、キセキの世代と呼ばれた5人を見てるといてもたってもいられなくなった。だから会場を飛び出して外の空気を吸っていた。そしたら、幼い男の子が車に轢かれそうになってて...
「思い出したんですか?」
「く、黒子くん!」
「お久しぶりです」
「私、あの時...」
「皆さん、あれから空っぽのまま試合を続けてきました。僕はすぐにバスケ部をやめました」
「え!?」
「名前さんは、元気にしていましたか?」
「うん、あのね、黒子くん...私の家族は...」
「紫原くんなら秋田にいます。ご家族は変わらず名前さんが前に住んでいた場所に」
黒子くんの言葉を最後まで聞く前に私は走り出していた。
「おいっ!」
「大我!止めないで、私...」
「これから入学式だろ?」
「そうだけど!」
「何があったってんだよ?」
「私が記憶喪失なのは知ってるよね?」
「ああ」
「大我...お願い。私ね...会いたい人がいるの」
それを伝えると大我は手を離してくれた。ごめんね、大我...
会いたいよ、あっくん...
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