はちわ
私は今日から誠凛高校の生徒だ。夢見た高校生活、しかも念願のセーラー服!私の気分は上々だった。
君に会うまでは。
「大我はやっぱりバスケ部なの?」
「ああ、入部届け出してきたぜ」
「そーなの?大我のことだから怖がられたんじゃない?」
「んなことねーよ」
「ここでバスケしたかったの?」
「いや、日本のバスケなんてどこも一緒だろ?」
その言葉を聞いたとき胸の奥がすごく傷んだ。なぜだかわからない。頭痛がする。
「うう...」
「どーした!?大丈夫か!?」
「頭が...」
「いてーのか!?」
「うん、すこし」
こんな時いつも薬をくれたのは...誰だっけ?思い出せそうなのに思い出せない。
「大丈夫ですか?名前さん」
「っ!!」
この水色の髪。私にしかわからなかった存在感。優しい声色。大きな瞳。わかるのに、わかってるのに...
耐えられなくなって私はその場から逃げ出した。
ずっと塞ぎ込んでた、私の過去。大我といることで浄化してたはずなのに、思い出そうとしてるのはなんで?
く、ろこくん。私の大切な人の一人だよ。
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