「そらもう、ぐっすりと」







謙也side



「嘘やん...」




バスが動き始めて数分後。
隣の小動物は眠ったらしい。
俺の肩に頭を乗せて、や。



「謙也ー、えかったな」

「白石、静かにしろ。起きるやろ」




俺は窓の外を向いてため息をついた。
せやけど、起こせへんように気をつけながら
名前を見つめ頭を撫でた。




ーカシャッー




「ちょ、白石っ」

「財前に送ろー」

「やめろっ!」



俺は思わず立ち上がってしまい
ゴン、と鈍い音が鳴る。



「いったあ!!!!」

「うわ!名前、すまんっ!!!」

「いや、寝てた私が悪いんですよ...いてて」

「おでこ、痛むか?」



赤くなった名前のおでこをさする。



「わっ、謙也先輩...」



すると、顔まで真っ赤になる。
照れとんか?



「赤...」

「ちょ、先輩っ」




手が頬まで伸びる。
え、俺何しとん!?

ふと我に返りむに、と頬をつまんでみる。



「いはっ、へんはい、いひゃいいひゃい!!」

「ばかやん...」






俺、なんでこんな好きなんやろ。
こいつのこと。


「へんはーい?ほろほろはなひてくらはい」

「おー、すまん」

「ふあー、痛かった」

「もう直ぐつくで?」

「わー、そんなに寝てました?」

「そらもう、ぐっすりと」



わー、恥ずかしいなんて言ってる名前がまたさらに可愛かった。
ハマリすぎやろ、俺。









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