「何でもないわっ」
いつものように委員会には早く来る俺。
次誰来るんやろーと待ち構えていた。
ーがちゃー
「あ、謙也先輩っ」
「えっ、名前っ!?」
「先輩、放送委員だったんですね」
「せやで、名前一緒やったんやなあ」
「あまりもので...でも、福ありました」
「え、」
福があったって俺と一緒になれたんが嬉しいってことか!?
ちょ、それって期待してもええんか!?
「知ってる人いないと思ったんで安心しましたー」
「あ、あーそゆことなあ」
なんや、期待したらあかんなあ...
てか、みんなこーへんやん!!
何してんねん!!
「委員会なのに来ませんねぇ...」
「せやなあ...」
「もう、二人で話しちゃいます?」
「そういえば、名前は何で標準語なん?んで、何で財前と幼馴染みなん?」
「あー、あたし去年までは東京住んでたんですよ。でも、一人暮らししたくてこっちに一人できたんです。なんていうか光にもう一度会いたくてというか...4歳の頃までこっちに住んでたんですけど、生まれた時から光と仲良くてずっと一緒にいたんですよね。だけど突然引っ越すことになっちゃって...すごく泣きましたよあの時は。それからも光のことは忘れたことはなくて、メールとか電話とかしたりしてたんですけどね。また会いたくなっちゃって、一人できちゃいました!......あ、喋り過ぎちゃいましたね...」
「財前のこと好きなん?」
「いや、そういう好きじゃないです!でも大好きです!」
「恋愛感情はないってことか?」
「はいっ!兄妹みたいなっ」
それなら安心や...
って!俺は名前のこと好きなんか!?
いや、ここまで来たら認めなあかんよなあ...
そしてへタレ卒業すんでぇ!!
「謙也先輩?何意気込んでるんですか?w」
「何でもないわっ」
「あー、先輩顔赤いっ!隠したって無駄ですよー」
「うるさいうるさい」
「あ、そういえば合宿ってほんとですか?」
「そーいや、今度あるらしいなあ...女テニと合同合宿」
「やった!菜摘と行けるんだっ」
「まあ、自分なら大丈夫やろ?頑張ろーな?」
そう言って俺は恐る恐る名前の頭を撫でた。
ん?ちょお、顔赤くないか?
かわええなあ...
「顔赤っ!名前こそかわええわあっ」
「け、謙也先輩...もーやめてくださいいい」
「いややあ」
いつか必ず俺のもんにするで。
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