「ワシたい」
私の目の前には、''合宿''の二文字。
え、いやそれはいいんだよ?
なぜ私の目の前に紙切れがあるかってこと。
もう後少しで紙切れちゃんとちゅーしちゃうよ?
「光!やめて...ってあれ?光じゃない?」
「ワシたい」
「あ、千歳先輩...」
「小石川が渡せと言うから渡しに来たと」
「あ、ありがとうございます」
「後、昨日ワシはいなかったから名前の顔見に来たばい」
「えっ...」
「可愛いたい」
「ええええ」
「いや、綺麗と言ったほうがいいばい?」
「ちょ、千歳先輩っ」
「じゃあ、いくばい」
「あ、はい」
良く分からないなあ、あの人は...
てーか、こういうのは部長の蔵先輩が持ってくるべきでは?
それか、光...
いや、もういいや。
「名前!朝から綺麗なお顔が台無しやで?」
「綺麗じゃない!菜摘おはよ!」
「はいはい。昨日は先輩が邪魔してごめんな?」
「いや、いいけどさ。あの先輩、謙也先輩のこと好きなの?」
「んー、そうみたいやなあ...」
「へぇ。付き合っちゃったりするのかなあ?」
「するんやなーい?なになに、気になったりすんの?」
「えっ、いや別に...」
な、何言ってるのかな?私は...
謙也先輩だよ!?
可愛くてヘタレでスピードスターの謙也先輩だよ?
...嫌いじゃないよ、嫌いじゃないけどね!
「あほ名前、おはよ」
「わっ、光!」
「謙也さんが何やって?」
「いや、べっつにー!」
「ざ、財前くん。おはよう」
「あ、おはよ。いつも名前の守おおきにな」
「いや、そんなことないで!」
少し頬を赤く染めた菜摘。
え!!!!光のこと好きな感じ?
もったいなあい!!
「菜摘ー、光に態度おかしくない!?」
「そんなことないでー」
「顔あっか!」
「うるさいっ」
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