君に伝えたい








ウィンターカップ。
私たち桐皇は誠凛に負けた...
けど、大輝は変わった。
バスケに対する姿勢が全然違う。

3年生は引退して主将は若松先輩。
頼りにしてます。




そんなこんなで秀徳と洛山の試合を見に来た。




「苗字...」

「あ、緑間くん!久しぶりーっ」

「見にきてたのか」

「うん!頑張ってね」

「どうせ、赤司を応援するんだろう」

「そんなことないよ!どっちも応援してる...」



...なんてだめかな?と聞いてみれば
それでいいのだよといつものように言ってくれた。



「真ちゃんー!早く来いよー」

「うるさいのだよ!!高尾!」

「あれ?あ、青峰の彼女!?」

「あー、元だけどね...」

「別れたのか?」

「うん。夏休みにね」

「そうか...」

「あ、私赤司くんのとこ行ってくるね!またね!」

「え、ちょ、行っちゃうのー?」



高尾、と呼ばれたセンター分けくんが何か言ってたけど
ごめん、赤司くんに会いたいよ...



「赤司くん!」

「...名前、見に来てくれたんだね」

「当たり前だよ」

「応援してくれるかい?」

「うん!緑間くんも応援するけど」

「そうか、君は昔から勝敗にはあまり興味がなかったんだよね」

「あ、うん。でも、頑張ってね?」




精一杯の笑顔を赤司くんに向けた。



「玲央、ちょっと抜けていいか?」

「構わないわよ!」

「え、ちょっと、赤司くん!?」




私は赤司くんに手を引かれ会場の外へ出た。
赤い髪が風になびいてる...
やっぱり、かっこいいな。




「...すまないね、こんなとこまで」

「ううん、大丈夫」

「試合までまだ時間あるから」

「そっか」





「あんな笑顔誰にも見せたくない」

「え?」

「名前の笑った顔は僕だけ見てればいいんだ」

「あ、かしくん?」








少し間を置いて赤司くんが真剣な眼差しを私に送る。
中学の頃はこの眼差しが、赤い瞳が
すごく怖かったのを覚えている。
今ではすごくかっこいいと思ってしまっている私がいる...









「ずっと好きなんだ、名前のこと」









「え...」

「君はもう僕なんて興味無いかもしれない」

「そんなこと...」

「中学の時は大輝と一緒にいるとこを見かける度、イライラした。それは僕のせいだって分かってるからさらにね...けど、キラキラした君の笑顔見てるとこれで良かったと思えた。僕は君のことを諦めていた。でも今君に会って、大輝と別れたと知って僕のものにしたいと強く思った。だから...」







私は赤司くんに抱きしめられていると理解するまで
時間はかからなかった。
ずっと期待してたぬくもり、香り...
今私はそれらに包まれている。



「僕のそばにいて欲しい」






その言葉とともに、選手を集める声がした。




「試合のあと、返事きかせて。じゃあ、行ってくるよ」

「...うん」






今すぐ君に伝えたいこの気持ち




(どうしようっ)
(あ、名前!やっと見つけたあ!!!)






prev next

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -