思ったのは錯覚
「黒子くんっ」
「あ、名前さん」
久々に立ち寄ったマジバーガー。
黒子くんと...火神くんか!!!
「えっと、どうも!」
「どっかで見たことあるような...」
「桐皇のマネージャーさんですよ」
「あ、青峰の彼女か!」
ちく、と胸を何かが刺すような感覚がした。
もう別れたんだけどなあ...
「あの時はすぐ帰られたのでお話できませんでしたね」
「うん、そーだねぇ...」
「青峰くんとはどうですか?」
「...私たち別れたんだよ?」
「!驚きました。そんなこと青峰くんは言ってませんでしたよ?」
「大輝に会ったの?」
「ええ、先日」
「てか、あいつと2年ぐれーだろ?付き合ってたの」
「あっ、うん」
「よく続いたな、」
「あ、ははは」
大好きだったからね、大輝のこと。
あの状況から助けてくれた恩人だし。
そんな風に言われても怒りなんて起きなかった。
前はすごくイライラしたのに...
「火神くん、そんなことよく言えましたね」
「っ、あー!!わりぃ!!!」
「いやいや、気にしないで。よく言われることだったし」
「そうか...1個持ってけ」
「すみません」
「黒子くんがなんで謝るの?」
「僕がこんな話したばかりに...」
「ううん、本当に気にしないで!じゃあ、またねっ」
私は少し早足で歩き出した。
そういえば何も買ってないや...
火神くんがひとつくれたからいっか!!
似てるとふいに思ったのは錯覚ではなくて
(火神くんって大輝みたいだなあ)
(可愛いのに勿体ねぇ、青峰には)
(そうですかね?お似合いでしたよ、それなりに)
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