心晴れやか








「今日は悪かったな」

「ううん、気にしないで。ありがと」

「じゃあ、学校でな」

「大輝、さよならだね」

「おう、もう泣くなよ」

「...わかんない」

「じゃあな」

「ばいばい」



私たちの関係にピリオドを打った。
2年と数ヶ月。
幸せだったよ、大輝のとなりで笑えたことが。
だけど私の心の中に赤いあの人が
ぐるぐるとうずまいてるみたい。







大輝を見送って家に入ると
洗面台の隣にある引き出しをあけた。
そこには私用のタオルが何枚かあって
その中の一番したを引っ張り出す。



「あった...」



体育祭の日に、借り物競争で赤司くんに借りたやつ。
私が使ってたタオルと交換したんだっけ...
返すの忘れてたんだよねぇ。あれからずっと。
いや、赤司くんも返してこないし
このままでいいかなーなんて思ってたから(笑)



一人でタオルを見つめながら考えていると
ポケットに入れていた携帯が音を出していた。
私は確認もせずに通話画面へ操作した。




「はあい」

『やあ...』

「あ、赤司くん...?」

『名前、久しぶりだね』

「え、あ、うん」





声ですぐにわかった。
赤司くんだってことが。



『今、東京へ帰ってるんだけど』

「え、そーなの!?」

『いろいろ謝りたいんだ。会えないかな?』

「...うん。いいよ」

『よかった。場所は君の行きつけの喫茶店でもいいかい?』

「えっ...うん、いいよ」

『じゃあ、14時頃に行くよ』

「うん、後で」


電話はそこで切れた。
私は大輝と出かける予定だった為
外に出れる格好だった。
すっぴんだけど、どーしよ...







君との再開が心晴れやかになる



(いってきまーす...あ、誰もいないやw)






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