感情を呼び覚まされた







大輝と会う約束をした。
昨日メールが来て

''会いたい''

それだけのメール。
私だって会いたいよ...
けど会えなかった。
会うことが怖かった。






久しぶりに自室で大輝を見る。
なんだか新鮮だな...


「久しぶりだな」

「うん、夏休みだもんね。会えないよ」

「この間、テツんとこと試合した」

「え?黒子くんと?」




私の家の前で待ち合わせしてたから
遅れることはなかったけど
部屋に入ってすぐ唐突にこんな話をされた。
そっか、黒子くんに会ったんだね...


「ダブルスコア」

「え?」

「勝ったけどよ」

「そっかあ...」

「なんでお前いなかった?」

「...大輝のプレーを見たくなかったから」



そうあの日は大輝が来るとわかって
すぐに帰ったんだよね...
あんなプレーは二度と見たくない。



「テツと話したか?」

「ううん、すぐに帰っちゃったから」

「そうかよ」

「さ、どっか行こうか!」

「...わりぃ」

「え、」

「お前はもう、俺といない方がいい」

「だ、大輝?」

「俺ばっか好きでさ、無理矢理付き合わせたりなんかして」

「ちょっと、待ってよ」

「...ほんとはまだ」

「いや、言わないで!!!」




私はわかっていた。
大輝に何を言われるか...
もう、思い出したくないのに。
君の顔が頭から離れなくなるのが嫌で
押し込めた感情が...



「赤司のこと、好きなんだろ?」







認めたくない感情を呼び覚まされた夏休み



(っ、...やっ、もう...)
(...泣くなよ)





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