「せやけど?」





「このとーり!!!」

「や、です...」

「なんでやー! 苗字さん、頼むわ!」

「なんで、あたしなんですか?」

「自分、財前と幼馴染みやろ?やりやすいんちゃうか思うて」

「幼馴染みというか、あたしは中学生になってからこっちにきたんで...」





どうも、みなさん。
あたしの目の前で頭下げてるのは
1つ上の白石蔵ノ介先輩。
なぜ下げているかというと、あたしに
テニス部のマネージャーをして欲しいとのこと。
光の扱いがわからないとかなんとか...


確かにあたしと光は幼馴染みだ。
けど、入学して1週間。引っ越してきて3週間。
クラスも同じだというのに、話してもいない!



ていうか!
この状況何とかして!!!
女子の視線が痛い!




「まーまー、白石。落ち着けや」

「せやけど...」

「ほら、ここ人が多いから、なっ?」

「ほんなら!今日の放課後テニス部観に来てや!」

「ああ、それくらいなら...」




隣にいた金髪の人が助けてくれた!
よかったあ...
でも、1人でテニス部はきついなあ。




「決まりや!んじゃ、放課後なー」

「なんか、ごめんな...ほんならな!」




2人はそう言って去っていった。






「ちょっと、 名前!白石先輩と忍足先輩、知り合いなの!?」

「いや、知り合いってわけじゃあ」




ふーん、あの人は忍足っていうのか。
覚えておこう。


今話しかけてきているのは
あたしの友達となってくれた菜摘。
元気系のスポーツ女子。
部活は女子テニス部。
あ、今日一緒に来てもらお。


「てか、財前くんと幼馴染みなんて聞いてないで!!」

「だって言ってないもん」

「なんで話さへんの?」

「タイミングが合わないから?」

「なんで疑問系やねん!?」

「さあ?」



なんて話していると、後ろに人影を感じた。
なんか懐かしい匂い...



「おい」

「わ、びっくりした!光じゃん」

「久しぶりやってのになかなか話しかけにけぇへんから」

「忘れてるとでも思った?」

「なっ、...思ってへんわ!」

「そっかー。あたし白石先輩に脅されてんだけど、光どうにかしてよ」

「マネージャーになれってやつ?」

「そう、それ!迷惑してるんだけど?先輩達になんかしたの?」



なにかしたわけじゃないと思うけど
ただ単に光が態度悪いとかそーゆー...


「先輩達はマネージャーが欲しいだけやと思う」

「え、そーなの!?」

「んで、俺の幼馴染みなんでどうっすかってゆーたら、ホンマに来たんや」

「結局光のせいじゃん!!」

「せやけど?」


うっぜー、こいつうぜー!
あれからうざくなってる。
あの、8年間に何があったっての!?



「そろそろ席つくわ」

「はいはい、放課後いくから」

「おん」




「あの財前くんと、フツーに話しとる...」

「なんか、変な方向に変わってるんだけど。光」



私はむかつきながらも
久々に話したっていう嬉しさを隠せなかった。














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