思い出をかき消す






「大輝ー、帰ろー」

「おう、待ってろ」



私たちは3年生になった。
全中が終わり、大輝は変わった。
もちろん皆も。
いつの間にか黄瀬くんは強くなってて
黒子くんなんて、びっくりだ。
バスケ部をやめたらしい。
さつきとは仲直りして
たまに3人で仲良く帰ってる。


「部活行かなくていいの?」

「いんだよ。どうせ俺に勝てるのは俺しかいねーから」

「そーなんだ。まあ、大輝以上はいないよね」


私が笑って見せると、大輝も笑った。
そんな毎日が楽しかった。


「お前はさ、どこの高校いくんだよ」

「私?決めてないよー」

「同じ高校行きてー」

「うん。大輝はどこ受けるの?」

「桐皇。さつきも一緒だ」

「じゃあ、私も受けるね」

「そしたらよ。また、さつきとマネやってくんね?」

「うん!分かったよ!」



私は本当に辞めていた。
赤司くんの顔を見たくない。
その一心でやめた。
3年生になるとクラス替えで
大輝とさつきと同じクラスになった。



「名前は俺から離れんな」

「ちょ、人前だよっ」

「気にすんな」


公衆の面前で抱き合って
恥ずかしくもあり、嬉しくもあった。
大輝がほんとに好きだと
最近はすごく思う。


「幸せだよ、大輝」

「俺もだ」



君との思い出もかき消すように


(いつまでくっついてるの?)
(ずっとだ)
(もうっ)





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