私の涙








やっと熱が下がった。
あの出来事から一週間もかかった。


「久しぶりの学校だー」


すごく来たかった、帝光中学校の校門をくぐる。


「あ!青峰くん!!」

「あ?お前か。っとー、俺急いでるから」

「え?あ、うん」



(なんか、変だなー)



ーがらっー



自分の席を見た。違う子が座ってた。


「そこ、私の席だよ?」

「あれー?苗字さん、生きてたの?」


その子は私を呼び出した張本人。
赤司くんのとなりを独占してる。



「え、生きてたよ。風邪引いてただけだし」

「へー。自殺でもしちゃったかと思った」



その子は、ねー?赤司くん。と続けた。


「...」


(何も言わないんだね)



その横顔からは何の表情も読み取れなかった。
そして私はまた、屋上へ向かった。




「マネージャー、辞めよう」

「辞めんのかよ」

「え?」



そこに居たのは灰崎くん。



「なんでお前がみんなからあういう態度か知ってるか?」

「今日、復活したから知らないよ」

「お前、俺と付き合ってるんだってよ。バスケ部の皆裏切って」

「ええ!?そんな、噂...」

「まあ、俺は本当でも構わねーけど」

「え、ちょ」


近付いてくる、灰崎くん。
どうしたらいいかわからず
ただ後ずさるだけの私。


「俺の前でやめてくんね?」

「青峰くん!」

「ちっ、」

「俺さ、名前の事諦めたわけじゃねーんだ」

「え?」

「マネージャー、辞めてもいい。だから、俺以外と仲良くすんな」



青峰くんはそう言った。
灰崎くんは呆れて出ていき
屋上には、私と青峰くんだけ。



「どうすんだよ?」

「ええっと」

「赤司といても、またやられるだけだぜ?」

「そうだけど...」

「俺にしとけよ」



(どうしたらいいんだろうか)



「そうなんだよね。僕、迷惑してるんだ」

「え?赤司くん?」

「辞めるなら言っておくけど?」

「っ、...」


私は冷たい目と表情に泣いた。
あの日とは大違いだ。


「...じゃあ」




「泣くなら、胸ぐらいかしてやるよ」

「ありがとう」

「俺にしとくか?」

「よ、ろしくお願いします」



そうして、私は青峰くんと付き合うことになった。
後悔なんてしていない。



冷たい視線は私の涙を誘う

(好きだ、名前...)
(私もだよ、大輝)
(っ!急に名前呼ぶんじゃねー)
(えへへ)



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