君と私
「そういえば、大輝とはどうなったの?」
「え!?」
「体育祭の時、告白されてたよね? 」
「あー、うん。お断りしちゃった」
私も、晴れて2年生になった。
同じクラスに赤司くん緑間くん。
また、さつきとは離れてしまったけど
お隣のクラスだった。
そして、初っ端の席替えで赤司くんと
隣の席になった。
緑間くんは果てしなく遠い。
「そうか。良かった」
「え?よかった?」
「いや、なんでもないんだ。気にしないでくれ」
「うん?」
(赤い髪、赤い瞳、赤い唇...かっこいいな)
あけている窓で赤司くんの髪がなびく。
「どうしたんだい?」
「えっ!えっと、綺麗な髪だなって」
「そうかい?」
「うん。」
「 名前もだよ 」
にっ、と笑ってから
私の髪に赤司くんは指を通した。
(えええー、どうしようっ)
「あの、赤司くん?」
「ん?」
「そろそろ、」
「あー、ごめん」
「ううん...」
嫌っていうわけではない。
こういう唐突な行動に
最近はドキドキするようになった。
最悪の地獄はここが始まりだったなんて
この時私は考えてもいなかった。
隣の君と私の変化
(名前、相変わらずかわ...)
(ん?かわ?)
(...変わらないね)
(それっていい意味なの?)
(うん)
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