返事の先






「「「「おつかれっしたー」」」」



終わってしまった。
本日の練習が。
私は片付けをして、ロッカールームへ行く。


「 名前ー、スコアこの中入れておくね 」

「はーい」

「そろそろ行くよー」

「うん、」


(着替えたら裏門か)


私はロッカールームに入り
制服に着替えた。
いつもと変わらない白いブレザーに腕を通して
鞄を肩に掛ける。


「そういえばさ、大ちゃんが今日は先帰ってろって言ってたけど」

「そ、そーなんだー」

「暇人なのに何して帰るんだろうね」

「さ、さあ?あ!私も用事あるから、みんなで帰っていいよー」

「え、そーなの!?分かったー」


(うまくごまかせたかなー?)



私は先に行ってるであろう青峰くんを待たせないために
少し駆け足で裏門に急いだ。


「ご、ごめんっ!待った?」

「別に、待ってねーよ」

「そっか、」


お風呂上がりの匂いがした。
みんな汗かいてるから
大体の人はシャワーを浴びて帰る。


「おら、帰るぞ」

「うん」

「んな、かしこまんなって」

「ごめん、」

「謝んな。あ、それが返事か?」

「ちが、」

「じゃあ、いいってことかよ?」

「えっとね、」


私は少し俯いて、立ち止まった。


「なんだよ」

「私、良く分かんなくて...」

「何が?」

「付き合うとか、恋とか?」

「そーか。じゃあ、赤司のことどー思ってるんだ?」

「なんか、苦手だったけど今はそんなにじゃないかな」

「ふーん。まあ、早く気づけよ」

「ん?何に?」

「なんでもねー!なんか奢ってやっから、コンビにいくぞ!」

「ちょ、青峰くんっ」


私は腕を掴まれ、青峰くんは走り出した。


(これで良かったんだよね?)



距離と返事の先の気持ち

(青峰くん、2年生も同じクラスならいいね!)
(んー。そーだな)
(また、隣の席になれたらいいね。)
(ばーか、ちーび)
(えええ!?)



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