苦手なもの
私には赤司くんより苦手な人がいる。
それは、灰崎くん。
「 苗字、タオル」
「あ、うん」
「どうも」
「ドリンクは?」
「いらね。てか、青峰と付き合ってんの?」
「え?いやー、違うよ?」
「ふーん。じゃあ、赤司?」
「いや、それも違うかな」
「へー、おもしろくね」
(は?なんでよっ)
私が誰と付き合っていようと
付き合ってなかろうと
灰崎くんには関係ないはず。
(あ、どっか行ってくれた)
「 名前ー、あちー、タオルーとドリンクー 」
「あ、青峰くん。ちょっと待ってねー」
「はーやーくー」
「はいはいー」
「なー、灰崎にあんま近づくなよー?」
「えー?なんで?」
「あいつ、人のもんを取るから」
「そーだねー。私、誰のものでもないけどね」
「そーかよー」
「うんー」
「赤司のものでも、俺のものでもねーよな...」
「そういうことかな。」
「なあ、あの時の返事聞かせてくれ」
「え、今?」
「今日、ふたりで帰れるか?」
「う、うん」
はっきり言って何も考えてなかった。
今まで普通だったから流してしまってた。
後、数十分。
(そんな、無理だよ...)
「じゃ、戻るわ」
「うん、頑張って」
この間の試合のスコアを書いてるさつきを横目に
私はため息をついた。
君より苦手なものは沢山ある
(なになに、 名前どーしたの!? )
(何もー)
(隠し事多いねー)
(いずれ言うからっ)
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