2/2
「アニは相変わらずチーハンが好きだねえ〜」
「...ナマエこそいつもその大量のウインナー、おかしいと思うけど」
そう言うアニを横目に名指しされたタコさんウインナーをぱくり。
「ウインナーじゃないよ、タコさんウインナー! ふふ、可愛いでしょ〜。あ、明日はカニさんにしようかな」
「私から見ればどれも変わらないよ」
うーん、この可愛さがアニには伝わらないようだ。諦めてわたしはわたしのお弁当を消費ことにした。
あ、今日のお弁当にはチーハン入れたんだった。アニ食べるかな。
「アニ、チーハンいる?」
「.....いる」
目をそらしてちょっと照れながら言うアニはとてつもなく可愛いのでつい、ふふ、と笑ってしまう。
「じゃあ、アニのお弁当の卵焼き貰ってもいい?」
「...好きにしな」
「やったー!」
アニのお弁当から卵焼きを頂戴してぱくりと口に入れた。
「んー!アニの卵焼き大好き!」
「...そうかい」
この高校に入学してから数日しか経ってないけれど、わたしはアニととても仲良しになった。わたしのクラスは1年4組で、クラスメイトはなかなか濃いメンバーが集まったらしい。
あ、コニーとサシャは相変わらず仲良いなあ。何してるんだろう。よく分からないポーズをとっている。
「ほら、ベルトルト行けって」 「ちょ、ちょっとライナー...!」
コニーとサシャを見ているとライナーの声とベルトルトの声が聞こえた。声の方を見ると2人が立ってわたしたちを見ていた。
「あ、あの、アニ...とナマエは部活決めた?」
「私は...生徒会」
アニから生徒会、という言葉が出て目を丸くした。
「アニ、生徒会入るの!?」 「...そう」
「それで、ナマエは今日もかわ...ゲホン!どこに入るんだ?」
ライナーから質問され、頭を捻る。そういえばここの学校は必ず部活には入らなければいけないのが決まりだった。...部活のことなんて全然考えていなかった。
「うーん、まだ決めてないなぁ...。2人は?」
「俺は柔道部から勧誘されたからな。柔道部に入るかもしれん」 「俺はバレー部かな...」
「そうなんだ!2人にぴったりだね!アニ!」
「...ナマエがそう思うならいいんじゃない」
もう2人とも決まっているようだった。どうしようか、と悩んでいるとどこからともなくエレンがやって来た。
「なぁ、ナマエ!お前まだ部活決まってないのか!?」
ぐい、と顔を近付けてくるのでわたしの体は後ろに椅子ごと引けてしまう。
「...ちょっと、アンタナマエと近いよ」 アニがエレンの顔を力ずくで押し返す。...ちょっと痛そうだけれど助かった。
「わ、悪ぃ! で、ナマエはまだ部活決まってないんだろ!?」
「う、うん。まだ...」
「なら、調査団見学に行かねえか!?」
「ちょ、調査団...?」
そんな部活あったっけ?と記憶を辿ってみるもどうも思いつかない。
「オレは調査団に入って巨人を一匹残らず駆逐する!」
「おい、お前まだそんなこと言ってんのか...?」
ジャンが呆れたような声を出す。
「うるせぇな!
で、どうだ?見学行ってみないか?」
「け、見学だけなら...?」
そうしてわたしの調査団見学が決まった。
[ back]
|