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「.....ねぇねぇ、リヴァイ」
「.....なんだ」
「リヴァイは、わたしと任務できなくなるの、寂しい?
.....わたしはね、寂しいかなぁ」
「.....別に3年なんてすぐだろうが。離れた場所へ行くわけでもねぇ」
「...それは...そうなんだけど。
エルヴィンにも休日には戻ってくればいい、って言われたけど。
でも、やっぱりリヴァイや、みんなと過ごす時間が急に無くなるのは.....寂しいなぁって」
エルヴィンに告げられてからもわたしも、他のみんなも同じ日々の繰り返しだ。
何も変わらない。けれど少しずつ、わたしにとっては長いお別れの時間が来る。自分で引き受けるときちんと言ったはずだったのに、やっぱり寂しいことには変わりない。
「.....じゃあ俺が行くな、と言ったらナマエは行かねぇのか?」
「.......ううん。
これはわたしが決めたこと。...だから、やっぱりわたしは行かなきゃいけない」
「だったらお前はお前のやるべきことを全うしろ。
終わったら迷惑でもなんでもいくらでも掛けろ」
「迷惑掛けられるの、いやじゃない?」
「今までもお前に掛けられる迷惑を嫌だと思ったことはねぇよ」
「終わったら、リヴァイがどんなに嫌だって言ってもずっと一緒にいるけど、それでもいいの?」
「...ああ?
そんなの今も大して変わらねぇだろうが」
それもそうだ。リヴァイはどんなにわたしが迷惑を掛けてもわたしを見捨てることはしなかったし、今までずっと一緒にいても何も文句を言うことはなかった。
いつも横か前にはリヴァイがいたけれど、それが少しの間なくなってしまうけれど。...でも。それでも、がんばろう。
「そうだよね!
リヴァイがくれた、この赤いリボンをお守りにわたしがんばってくるね!
おやすみが取れれば必ず戻る!たまになら、ハンジの長話も付き合ってあげようかな!」
「.....あいつの話は聞かなくていい」
「エルヴィンにも紅茶入れてあげないと!」
いつ戻っても、きっとみんななら温かく迎えてくれる。だから大丈夫。
「リヴァイ」
「.....まだ何かあるのか」
「.....いつもみたいにぎゅってしていい?」
「...勝手にしろ」
「えへへ、リヴァイ大好き」
****
「ナマエちゃん、頑張ってね!いつでも戻ってきていいからね!そして私の実験を手伝って!
可愛いナマエちゃんを遠くへ行かせるなんて心配で仕方が無いよォ.....ッ!」
「ハ、ハンジ大げさだよ.....。
そんな遠くに行くわけじゃないから大丈夫だよ...?」
「毎日ナマエちゃんを目に入れることが出来ないのが辛いんだよっ!!」
「.....?」
「コイツにはもう構うな。
.....忘れもんはねぇか」
「うん!元々そんなに荷物持っていく予定はないから大丈夫かな!」
「.....頑張ってこい」
「.....!
うん!いってくるね!みんなも、どうか気を付けて!」
847年。わたしは15歳になった。みんなに見送られながら、わたしはわたしのやるべきことを果たしに行く。