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「身長は140cm...。ナマエちゃんと同じ年齢の子とは10cm以上差があるね...。体重も30kgとすごく軽い。

10歳の頃から身長が伸びていないって言ってたね」

「.....うん...」

ハンジが言うには身体測定、というものをわたしは今受けている。身長を測ると驚きの小ささだった。それは周りから小さいと言われても仕方がないのかも...しれない。

「まるで身長が止まってしまったみたいだ...。
本来なら成長期に当たるこの時期に伸びないのはおかしい...。

身体がわざと実年齢と身体年齢をずらしているみたいな違和感だな...」

ハンジはまた難しいことを言っている。身長が伸びなくなってしまったのは本当で、気が付けば同い年のミアからも抜かされていた。

「じゃあ次はこれを強く握って貰えるかな」

握力を測りたいんだ、とハンジは言った。それを力いっぱい握る。

「ぶ、分隊長!この数値...!」

「ん?どれどれ...。

ど、どういうことだ、これ...?
45.3kg...って、ナマエちゃんの年齢出る数値ではないしむしろ成人男性が出す数値だ...。

この機械、壊れてるわけじゃないよね?」

険しい顔をして2人はわたしの出した結果を見る。なにか、おかしかったのかな、と不安になる。

「こ、壊れていませんよ...!ど、どういうことなんですか、これ...!」

「体重を見たところ筋肉なんてつく場所はないんだ...。なのにこの桁違いの握力。

そもそもこんな細くて小さい女の子1人に成人男性の首の骨を折ること自体、実際できる訳が無い。

これ、もしかすると...ナマエちゃんの身体はそういうふうに作られたってことになる。

身長が伸びてないのもおかしいと思ったけれど、これなら納得がいく」

ハンジはわたしの体を頭からつま先まで1度見た。そしてモブリット、と声をかける。

「私が言うことを必ずメモしてくれ。あくまで仮説だが、おそらくこれは正解に近い。

これが事実だとすれば、ナマエちゃんの一族は本当に技術が発達し、巨人を倒すために人間を完璧に作り上げたことになる。

まず、身長と体重についてだ。おそらくナマエちゃんの身長は止まっているんじゃない。わざと、成長を遅らせている。

これが正しければナマエちゃんの身体は他の人より若い身体の時期が長いということになる。つまりこれは長期的に巨人と戦える身体である、ということ。

そして筋力について。これは言うまでもなくこの年齢と身体では明らかに数値が一致しない。
おそらくナマエちゃんの身体は、この数値を出すために必要な筋肉量の3分の1、あるいは半分程度でその力を出すことが出来る。

彼女の一族は人間の軽量化に成功したってことだ。身長と体重についてもおそらくそうだろう。

...すごい。すごいよ、これ。

とてつもなく恐ろしいことをやったのかもしれないが、本当に人間を品種改良してしまったってことさ」

ハンジの言ったことがうまくわからなかったけれど、たぶん、本当にわたしは巨人と戦うために作られた人間、ということなんだろう。

「巨人が出現して以来、ナマエちゃんの一族はその100年間の間でものすごい速さで技術を進歩させて行ったってことだ。恐ろしいね...。

この推測通りなら本当にナマエちゃんは人類にとって希望になるよ。

一体ナマエちゃんの一族はどうやって交配することで人間が兵器になるような技術を手に入れたんだ?普通なら簡単に成功することではない...リスクの方が大きいはずだ...」

ブツブツとハンジは呪文のように話しているので、わたしはもうわけがわからなくなっていた。

...それよりも、お腹が空いてしまった。

「ね、ねえ、ハンジ」

声をかけても反応がない。助けて欲しい、という目でモブリットを見る。

「いつもの事だよ...。ごめんね、ナマエちゃん」

モブリットはわたしのことをあやすように撫でてくれたが、わたしのお腹はもう限界だ。

「ち、違くて...!そ、その...、ハンジ...!」

そういった途端、わたしのお腹は大きく音を立てた。そして一気に顔に熱が集まる。

それを合図にハンジはわたしに気付いて豪快に笑った。

「そっか!ごめんごめん!

もうとっくにお昼を過ぎてしまっていたね!」

お昼にしようか、とハンジはわたしの頭をひとなでした。

「わ、わたし紅茶いれる!」

「おや、ナマエちゃん紅茶入れられるのかい?
なら、お願いしようかな」

「うん、リヴァイに教えてもらった」

そうしてようやくお昼になったのだった。


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