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「わたしが、どうするか...?」

「ああ。ナマエ、君をこの調査兵団に連れて来いと言ったのは私だ。それは君が特別だからだ」

「.....特別?」

エルヴィンはわたしを特別だと言う。特別とは、何だろう。傷の治りが早いこと?わたしが、東洋人だということ?

「君は、自分の生い立ちについて知っているか」

自分の生い立ちなんて知るわけがない。ふるふると首を横に振った。

「だろうな。ハンジから、君の傷の治りが異常に早いと聞いた。端的に言うと君は、意図的に作られた人間だ。君の先祖の一族が、巨人と戦いうるだけの力を持つ人間を作るために。

君は東洋人と自分を認識して生きていたのかもしれないが、それは少し違う。半分は東洋人だが、半分は君の一族の血が流れている。君は人間兵器として生まれてきた存在だ」

エルヴィンの言っていることは難しくて少し理解出来なかった。でもただ一つ、わかったことがあった。

「わたしは.....巨人と戦うために生まれてきたの?」

「そういうことになる」

巨人と戦うために意図して作られた存在が、わたし。
今まで知るはずのなかった事実と自分の生い立ちを聞いて、でもなぜかそれが胸の内にしっかりと収まった。

「.....そ、っか。教えてくれて、ありがとう。

...えっと、それで...リヴァイから聞いたけど、わたしは調査兵団に入団するん、だよね?」

「ああ。本来ならば訓練兵を経てから入団するべきなのだが、何せ時間が無い。今年、壁が破壊されウォールマリアが突破された。事態は一刻を争う状況だ。
それに、君にはまだ不確定要素が多い。何か起きても我々が直ぐに対処できるかはわからない。だが、君の力は確実に人類の希望になる。これは確かだ。

だから、ナマエは訓練兵団に入団せずリヴァイの元で指導し、力をつけてから調査兵団に入ってもらう。君の年齢にはとても苦しくきついことかもしれない。理解してくれるか」

リヴァイの元で。驚いてちらりとリヴァイを見やると彼の表情は何も変わっていなかった。

「...それが、わたしの必要とされてる理由なら」

そう言うと先程までのエルヴィンの硬い表情が少し柔らかくなった気がした。

「感謝するよ。

ただ、まだ傷が治っていないからな。2、3ヶ月程は私かリヴァイかハンジの仕事を手伝いながらこの建物や規律などを学んでいけばいい」

「おい、ハンジのところに連れていく必要は無い。どうせろくでもないことを吹き込まれる」

今まで静かに聞いていたリヴァイが突然反応した。

「私なら大丈夫。ハンジ、私の手当てもしてくれてたしお礼も兼ねてお手伝いするよ」

そう言うとリヴァイの眉間の皺が濃くなった。

「クソメガネは、あまり相手にするな。いいな」

「...?わかった...」

「話は以上だ。明日はリヴァイの部屋で雑務を手伝うといい」

こくりと頷いてエルヴィンとの話は終了した。


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