FNAF | ナノ

雨に融ける

私が新聞記者という仕事に就いてからというのは、それなりに長い。
けれど、今までこれといった失態を犯してきた事はなかった。
優秀な新人、期待の新人、その評価を覆さずに、仕事には全力で向き合い、人前ではとにかく気を張って、新人の頃に投げ掛けられていた期待に全て応えてきたのだ。
何もかもを完璧に。
そうして私なりのキャリアを築いてきた。
そうする事で、私の今の立場があるようなものだった。
それが、反って裏目に出てしまったのだろうか。
どれだけ実績があろうと、どれだけ優秀だろうと、どれだけ信頼があろうと、それらは結局現在進行形の評価によって全て無意味になるものだったのだろうか。
いや……、いいや。
私は間違っていない。
間違っていないはずだ。
私は真実しか書いていない。
嘘を書くなんて、そんなのは間違っている。
真実を誇張しても、虚実を真実として偽るのは駄目だ。
それをするのが新聞記者という職で、ジャーナリストという職で、マスコミという職なのだという事は理解している。
確かに、新人の頃から数年前までは、私も虚実を真実として、とにかく売れる記事を……と思っていた、否定はしない、それが新聞記者として正しい在り方だ。
けれど、あの事件以来……Freddy Fazbear's Pizzaで起きた児童行方不明事件以来、私はその在り方に疑問を持ち始めていた。
いいや、元々持ち合わせていた疑問を実践に移し始めたと言うべきか。
私は私の性質として、嘘が嫌いだった。
人間なんてみんな裏があって、嘘つきで、糞みたいな生き物なのだと思い始めてからずっと、私はそうであってたまるかと抵抗の意思を持っていたのだから。
実際にそれは、嘘をつかないなんて選択肢は生きている限り無理だろうし、新聞記者になってからは絶望的だった。
真実しかない現実など、惨いものでなければ面白味はなく、大衆にはウケない。
本当にその通りだった。
Freddy Fazbear's Pizza新店舗の閉店記事を書いてから、私はとことん真実だけを書いた記事を世に出してきた。
それを咎められる事はなかった。
今日までは。
さすがに、目を瞑っていてもらえる範囲を脱してしまったのだろう。
いつもは温厚でやる気がなくて仕事をしている所なんて見た事もなかった編集長に呼び出され、こっぴどく叱られてしまった。
ここ最近の記事の売り上げが悪いらしい。
単なる現代社会の新聞離れじゃないんですかと適当に流そうと思っていたが、それだけならばわざわざ呼び出されたりなんてしない。
注意勧告として軽く笑われる程度で済んだだろう。
それで済まなかったのは、私の記事が以前ほどの厚みがないからではないだろうか。
手を抜いている訳ではない。
それだけは否定させてもらう。
私にだって、記者としてのプライドがある。
それだけは、決してあってはいけない事だ。
つまり……真実しか書かなければ、この程度の記事しか書けないという事。
ただそれが、手抜きだと思われてしまったのだろうなと思う。
ある意味では手抜きなのかもしれない。
面白味のない真実に厚みを持たせるのも、私達がこなすべき仕事のはずだ。

「それでも私は真実しか書きたくないって、思ってる……」

私は優秀だから、良い記事を書けるから、失くすのは惜しいらしい。
上司の言葉は、これ以上にない嬉しい言葉に甘い言葉だ。

「……もし次も同じような記事を書いたら、本気でクビになるかも」

かも、ではない。
以前のような記事が書けないのならば確実に首を切られる。
社会の一員として、社会貢献の出来ない人間や組織にとって無益な人間は不必要なのだ。
後釜ならば、いくらでも作る事が出来る。
仮に私があの新聞社を去ったとしても、どうとなる事もない。
私の職が無くなるだけだ。

「……ああ、もう。だからってあんなに怒らなくたっていいじゃない。真実とは何より尊いものなのに」

負け惜しみだと思ってくれて良い。
これは子供じみた反抗だった。
組織に属する身として、本人が目の前にいる状態で言えないのならば、私の言葉は意味がない。
天もそうだそうだと言わんばかりに青空を隠して、灰色の雲から止む気配のない雨をざぁざぁと降らせていた。

「ついてないわね」

私の声は雨音に掻き消される。
私の声は誰にも届かずに消える。
雨は嫌いではないが、気分が落ち込んでいる時にこう絶え間なく水滴を見せられるとさすがに嫌になってくる。
編集長に怒られて逃げるように仕事場を抜け出した時には降っていなかったくせに。
快晴だったくせに。
適当に喫茶店に入って雨宿りでもしようかとも考えたが、どうもそういう気分ではなかった。
雨の音が聞こえなくて屋根のある、ある意味外と隔てられた世界に安全を求めるような気分ではなかった。
もしかしたら、誰かに見つけてもらいたかったのしれない。
シャッターの下ろされた店の、僅かな屋根の下で独り寂しく雨宿りをしている私の事を、誰かに。
しかし現実とは、真実とはあまりに残酷なようだ。
私以外の人間達は傘を持っていて、私は声や言葉だけではなく存在さえ雨に消されているように、皆私には目もくれず通り過ぎていく。
ただ、こうして雨宿りしているのもそろそろ限界かもしれない。
もう全て投げ出して近くの喫茶店に逃げ出してしまおうか。
そしてどうせ首を切られるのなら、そうなる前にこちらから切ってしまおうか。
新聞記者なんて私は向いていないのだ、……自分にそう言い聞かせる。
もういい年齢にまで来てしまったが、今から本来の夢を追うのだってありかもしれない。
両親は、……大丈夫。
あの能天気な両親なら好きにしなさいと言ってくれる。
ただ、この歳で両親のお世話になる訳にもいかないから、とりあえずは貯金を切り崩すなり、別の仕事を見つけるなりして……と、割と本気で新聞社を辞めた時の事を考え始めて私は思わず口元だけで嗤ってしまった。
辞める、という選択肢が案外すんなりと入り込んできている事には苦笑を隠し切れない。
長年お世話になってきたが、そろそろ潮時という事だろうか。
ああ、再就職先でも探しつつ、今更だが花嫁修行でもしてみようか?……相手なんていないけれど。
私は止む気配が微塵もない雨を見上げながら、いつこの安全な屋根から飛び出してやろうかと思った。
今。
今。
よし、もうやめよう。
誰も私の事を見つけてくれない。
皆、自分の事で精一杯だ。
この雨の中、ただ傘を差してないからといって優しく声をかけてもらえる程、この世界は生易しくもないだろう。
私は一体何を期待していたんだ。
信じられない。
自分が気持ち悪い。
喫茶店で退職届でも書いてやろう。
私はそう決心して、ずぶ濡れになるのもお構いなしに安全な屋根から飛び出した。

「なぁ!……おいっ!」

飛び出した。
はずだった。

「……っ!?」

強い力で引っ張られる。
雨が打ち付ける外側へと飛び出したはずなのに。
私は濡れていないしまだ安全な屋根の下にいる。
代わりに右腕が強烈な痛みを訴えていた。

「ちょ、ちょっと……痛い……!」
「ああ、悪いな!君がこんな雨の中、傘も差さずに飛び出そうとしたもんだから慌てて引っ張っちゃったよ!」

妙に胡散臭く、芝居じみて、……苛々しているような声
……彼の、こんな声を聞くのは初めてかもしれない。
胡散臭いのも、芝居じみているのも、それらはよくある事だが、彼が苛立っているというのはなかなか見ない。
それも、感情をわざと押さえつけているような苛立ちで、私は一瞬誰だか分からなかった。
彼でも……感情的になる事があるらしい。
しかし、今疑問とするのはそこではない。

「……どうして、此処にいるの。……電話男さん」

私の事を安全な屋根の下へと連れ戻したのは、私の事を強い力で引き寄せたのは、……彼だった。
最早電話だけのやり取りではない、こうして目の前で話す事が当たり前になっている存在の、電話男さんだった。
電話だけでやりとりをしていたからこその、電話男さんという愛称だったはずなのになんて、どうでもいい事を考えながら私は目の前の電話男さんへと目を向けた。
痛い、と訴えたからか、私の腕を掴む力は先程より緩いが離してくれる気はないらしい。
彼は私から目を離そうとせず、紫掛かった瞳で私を見つめている。
それに囚われるように、捕らわれるように、私も彼を見つめ返す。

「……って、貴方……ずぶ濡れじゃない!」

彼の事をじっと見つめ返し、冷静になった頭で私はようやく彼の姿に気が付いた。
彼は全身が濡れていて、髪の毛の先からは雫が滴り、落ちた雫は既に濡れて色を変えているシャツに消えていく。
良く見れば彼は傘を持っていなかった。
鞄は持っているのだから、せめてそれで頭だけでも申し訳程度に覆えば良かったものを……仕事道具が入っているから、むしろ鞄を庇ってきたとでも言うのだろうか。

「ちょっとじっとしていて!」

私は肩から下げていたショルダーバッグの中からハンカチを出した。
本当はタオルか何かの方が良いのかもしれないが、生憎タオルは持ち歩いていないし、何もしないよりは良いだろう。
私は控え目に背伸びをしながら、彼の髪やら顔やらにハンカチを当てていく。

「いいよ、別に。子供じゃないんだから」
「良くないわ!風邪引くわよ!」
「風邪引いたら、君が看病してくれる?」
「しないわよ、だから風邪引かないようにして」
「仕方ないなぁ……じゃあ大人しく拭かれておくか」

少し嬉しそうな顔をしながら、電話男さんは大人しく私に濡れた箇所を拭かれていく。
しかし、所詮はハンカチだ。
既にずぶ濡れ状態の彼を完璧に拭いてあげるなんて無理な話で、この天気では自然に乾く事を期待するのも無駄だろう。

「ああ、もう……。何でこんな天気なのに傘も差さずに出歩いているのよ」
「その言葉、君にそっくりそのまま返すよ。君もこんな雨なのに傘も差さず飛び出していこうとしたじゃないか。ここで大人しく雨宿りしてれば良かったのにさ」
「だって、止む気配もなかったじゃない……だから、もういいかと思って……、近くの喫茶店に行くくらいの間なら、濡れても……」
「駄目だよ。風邪引いちゃうだろ」
「その言葉、貴方にそっくりそのままお返しするわ」

電話男さんが誤魔化すように肩をすくめた。

「俺だって好きで濡れた訳じゃないさ。ちょっと離れた所で雨宿りしていたらさ、遠くに君が見えて……そしたら君が雨の中飛び出そうとしてるんだ。思わず俺の方が飛び出しちゃったよ。見た目よりずっと降ってるよ。ちょっと走っただけでずぶ濡れだ。出るのは止めた方がいい。君、走るなんて得意じゃないだろ?」

濡れた髪の毛を掻き上げながら、電話男さんは空を眺めていた。
それに倣うように、私も空を見上げる。
視界に入る限りの灰色。
絶え間なく降り注ぐ雨。
ざぁざぁと喧しい音は、ちっぽけな私の存在を掻き消すようだ。

「何?元気ない?」

それでも、彼は私の方へと目線を向けて、私に言葉をかけてくれる。
その目線も言葉もまるで、「俺はちゃんと君を見ているよ」と優しく甘やかされているようで。
……そんな都合の良い幻想を抱いてしまう自分に嫌気が差す。
世界は自分にとって都合が良いものじゃないし、私の為に出来ている訳ではない。
ずぶ濡れになって手遅れになる前に、彼が私を見つけてくれたからといって、彼が私を引き戻してくれたからといって、そんな偶然を必然として甘えた解釈をするのは間違っている。

「……ちょっと、嫌な事があったのよ。そんな気にしてもらう程じゃないわ」

彼に縋るな。
彼に甘えるな。
私の為に彼は此処に居る訳ではない。
今の私は自棄になっているだけだ。
きっと、私の事を見つけてくれて、てを差し伸べてくれる人ならば彼でなくたって良いのだ。
だから、たまたま優しく引き留めてくれた彼を利用するのはいけない。

「何だよ。俺にも言えないのか?」

それなのに、どうして彼は私に優しくしてくれるのだろうか。

「愚痴ならいつも言い合ってるだろ。……さすがにこんな時間から酒飲みながらって訳にはいかないけどさ、……ああ、君さえ良ければ今夜付き合うよ」

どうして彼は、そんなに優しく笑いかけてくれるのだろうか。
いつもの、神経質な笑い方はどうしたというのだろうか。

「なあ、……ヴェスナ」

どうして彼は私の事を名前で呼んでくれるのだろうか。
いつもの、お互いに呼び合っていた愛称は何だったのだろうか。

「なあ、泣くなよ」

どうして彼は私に触れてくれるのだろうか。
いつもの、心地好いと言っていた距離はどんなものだっただろうか。

「泣いてないわ」
「泣いてるよ」
「雨でしょう」
「ここは降ってない」

彼が笑いながら、人差し指で私の目元を優しくなぞっていく。
くすぐったいのと同時に、私は自分の目元が濡れている事に気が付いた。

「……泣いてる?」
「ああ、泣いてるよ」

自分の手を目元まで運んで、目元が濡れている事を確認して、私はようやく自分が涙を流しているのだと気が付いた。

「私、泣いてるのね」
「ああ、泣いてるよ」

彼が、悲しそうに笑顔を歪ませる。
私が彼にそんな表情をさせてしまっているのだろうか。
申し訳なく思うのと同時に、何故だか嬉しくなった。
嬉しいなんて思ってしまう自分が、私はとても嫌だった。
でもきっと、彼ならば許してくれるし受け入れてくれる、……そんな風に思ってしまった。
私は既に彼に縋っているし、甘えていた。
そして、彼は本当に私の事を全て、受容してくれていたのだ。

「電話男さ……っ、」

止まる事なく溢れ続ける涙に、私は彼へと助けを求めた。
彼は、黙り込んでいた。
ただ、悲痛な表情で私の事を見つめている。

「……悪い、ヴェスナ。嫌なら、嫌って言ってくれよ。その方が君にとっても……俺にとっても良いからさ」

ずっとこのままどうしようもない平行線が続くのかと思われたその時、私は彼の言葉と共に、何かあたたかいものに包まれる。
あたたかい、それは暖房のようなものでも布団のようなものでも衣服のようなものでも人形のようなものでもない。

「え……」

人。
人間。
人間の体温。
所謂、人肌。
私は人の温もりに包まれていた。

「電話男さん……?」

私は、彼に抱き締められていた。
背中には両腕が回されて、離さないと言わんばかりの強い力が掛けられている。
それでも、私に配慮してくれていたのだろうか。
苦しいとは思わなかった。
逃げられないとは思ったが。

「電話男さ……ん……」

彼の温度はとても暖かいものだった。
でも、彼の衣服はずぶ濡れで、雨宿りをしているとはいえ、この天候でこの短時間で乾くはずがないのだ。
彼の衣服が吸い込んでいた水分は、密着した私へと共有される。
あたたかいのに、つめたい。
今までに味わった事のないような感覚と感情と状況に、私はくらくらして、吐き気を催す。
きっとこのまま倒れてしまったら楽だった。
しかし、それは出来ない。
彼が、私を抱き留めているから。

「電話男さん……、電話男さん」
「ん……どうした?苦しい?」
「……違う、違うんだけど……ひとつ聞かせて……」
「ああ……いいよ、何?」

私は彼を見上げた。
彼は、ずっと私の事を見つめていたのだろうか。
見上げたその瞬間に目が合い、心臓が握り潰されたかのような感覚に陥った。
それでも、私は彼と目を合わせたまま言葉を放つ。

「どうして……貴方は私なんかの事を抱き締めてくれているの?」

私がやっとの思いで声に出したそれに、彼はくすりと笑った。
あまりに優しく甘い笑みに、いつもの神経質な笑いが恋しくなった。
彼のこんな表情ばかりを見てばかりだと、……どうにかなってしまいそうで。
彼は口元に優男のような笑みを浮かべたまま、愛の言葉を囁くように、教えてくれる。

「君の事が、好きだからだよ」

それは、死刑宣告にも似ていた。
愛の言葉を囁くように、ではない。
それは、愛の言葉そのものだった。

「ごめん。ごめんな。ヴェスナ。先に裏切ったのは俺だったな」

私は、ようやく彼が悲痛な表情を浮かべていた意味を理解した。
彼は、私を気遣っていたのだろう。
私に対して良い人を演じていた彼は、私の性質を十二分に理解していたはずだ。

「泣いてる君を見ていたら、弱々しい君を見ていたら……耐えられなかった。もう、我慢できなかった。君の事は分かっていたはずなのに……裏切って、ごめんな」

だからこそ、裏切ったなんて言葉を使う。

「俺は君を愛してるよ」

そして、決定的に私は彼に裏切られたのだ。

「んっ……」

目の前に、彼の顔が来る。
唇に、何かが触れる。
口の中に、何かが入り込む。

「……んっ……ふぁっ……、あっ……」

口を塞がれた。
呼吸が出来ない。
頭が真っ白になる。
目の前が真っ暗になる。
彼からの抱擁は解かれる気配などなく、私の口を遠慮なく犯していくそれも止まる気配はなかった。
圧倒的に足りない酸素に苦しくなって、目頭に落ちる事も許されない涙が溜まっていく。

「はぁ……っ……」

一瞬、彼の唇が私の唇を離れた。
酸素を求める私の体は本能的に息を吸い始める。
吸って、吐きたかった。
けれど彼は止まらず、またすぐに私に唇を重ね合わせた。

「ごめんな。好きだよ。愛してるよ」

謝罪混じりの愛の言葉。
雨はざぁざぁと喧しい音を立て続け、それは段々強くなっているような気がした。
私だけでない、まるで私達の存在を消すかのように絶え間なく雫を地面に打ち付けている。
実際、この申し訳程度の屋根の下から出た外の事など、私はどうでも良くなっていた。
目の前の彼の事で、手一杯だった。
吐き気。
呼吸不足。
彼は私の訴えなどお構い無しにぎゅうぎゅうと抱き締めては、恋人同士でするような激しい口付けを続けた。

「君を見付けたのが、俺で良かった」

口付けの合間に放たれた彼の言葉は、私達を掻き消す雨の中でもはっきりと聞こえた。
私も……。
私も、見付けてくれたのが貴方で良かった───。
それを伝えようとしたが、私が言葉を放つ前に私は彼に一方的に愛され始め、……結局、何も言えないままで終わった。
目を閉じれば、聞こえるのは雨の音だけだ。
それでも、目の前には貴方が居るのだと突き付けられていた。
その温度に、安心感と吐き気を交互に覚えながら、私は雨だけではなく貴方にまでも存在を掻き消されていった。
きっと溶けるとは、こういう事を言うのだ。

「君が好きなんだ、ヴェスナ・ラプティス。……君の事だよ」

きっと愛とは、こういう事を言うのだ。

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