第一話〜

小屋の掃除の手順。
始めに、寝床のワラを全部捨てる。
フンがついてたり、汚れてたりすると虫が涌いて病気の原因になるから。
これは2日置きに変える。
次に、スクレーパーでこびりついた汚れを剥がす。
雑巾で水拭きして、乾燥するまで窓はフルオープン。
その間に、新しいワラの用意をする。
やっぱりワラが良いと寝つきがいいから助かるし。
小屋が終わったら、今度は水タイプ用の水槽。
これはサイズによっては1ヵ月毎とかになるけど、コイキングの水槽は小さいから1週間くらい。
あ、勘違いしてるトレーナーのために言うけど、コイキングは確かに生命力強いけど、やっぱり水質がコロコロ変わるのはイヤなんだ。
水槽の水は池から直接組み上げるか、出来ない場合は半分以上水槽に残した状態で、薄めるように掃除!わかったかな?
もちろん、ウチは水槽に洗剤はタブーだ。

掃除が終わったらポケモンを小屋に戻す。
フシギダネ──電話の人に聞いたらフシギダネという既に発見された種類だったらしい──はとりあえず俺の部屋に軟禁しておいた。

片付いたら夕飯の買い出し。
今晩はシチューだ!
シチューはいいぞ!簡単だし、失敗しないし、2日は食える!

というわけで…

「いただきまーす。」

久々のシチューを口に入れようとした瞬間、突然横槍が入る。
電話だ。
しかも、電話は2階の俺の部屋にある。
仕方なくスプーンを置いて、シチューが冷める前に話が終わることを願いながら受話器をあげる。

『もしもし、育て屋ケイさんでしょうか?』
「あー、はい。ご用件を承ります。」
『いえ、昼頃にお電話いただいたオーキド研究所の者なんですが…。』
「ああ、はいはい。」

電話の最中にフシギダネが部屋から出てしまったが、まあ、家から出なければいい、と判断をつけて会話を続ける。

『そちらで預かっていただいているポケモンは、どうもウチで研究していたポケモンみたいなんです。昨日脱走してしまいまして…。』
「脱走?え?オーキド研究所って田舎…じゃなくて、マサラタウンでしょ!?アイツ一人でここまで来たの!?」
『ここまで、というのはどこまででしょうか?』
「ウチはハナダシティの外れにあるんですけど、オツキミ山も一人で抜けて来たのかー!すげーな!」
『特別なポケモンなので…。それで、そのポケモンは今どこに?』
「あー、多分一階です。ヤドンと遊んでるんじゃないかと。ちょっと待ってて下さい。」

あのフシギダネの様子を見に1階へ降りて驚愕。
あのポケモンは机の上にいた。
しかも、シチュー皿がなんかキレイに…

「って、こら!!それ、俺の晩飯だろーが!」

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